第30話 あの星は…
昨日の放課後のことで頭がいっぱいだ。京姉妹が珍しく同時に
私に向かって喋ってくるが、大方昨日のことについてだろう。
生徒会長は、私をただ吠えるだけの愉快な犬のようなものだと思っている。
生徒会長という格上の任に就いているからか、それとも今まで会ってきた
人達の中から似たような感じのカテゴライズをしているのか、それは
定かでは無いが、『格下』と思われているのは間違いない。
そして、最後のあの
桐生院家令嬢・桐生院覇那が思わず出した素の自分自身。
何だ。やっぱりあんなお嬢様でも、
私は別に、素が出てしまったことに対して、恐ろしいとか怖いだとか
言う感情を抱いている訳ではない。逆に、わくわくしているのだ。
この私が一歩も引き下がらない姿を目の当たりにして、今までの挑戦者
とは違うということを感じ取ったのだろう。あのような反応をされたのは
予想外だったが、少しでも気にしてもらえたなら何よりだ。
「ああ、ごめんごめん二人とも。聞いてなかったの。さあ、もう
授業が始まるし、続きは休み時間に聞いてあげる!」
しぶしぶ戻る二人だったが、目は諦めていなかった。
何から話したものか…。頭の中を整理しなければ、到底しっかりと
説明することは出来ない状況だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます