生徒会戦挙

百合丘 城奈

第1話 いざ、蒼星女学院へ

 「ねえ、どうする?この子。」

「意気込みはいいんだけど…覇那はなちゃんに会わせるのは…」

「会長に会うまでもないわよ。追い出しましょうお姉様。」

「ふふっ、ご愁傷様。」

北見海香きたみうみか十六歳、最大のピンチに遭遇。助けは…来ない。

 人を見下すのが好き。決して文章そのままの意味で受け取らないで欲しい。

飲食店とかで見るような、横柄おうへいな態度を取るということではない。

人々が整列して、全部が見える場所に陣取り、皆の注目を集める。

その光景が、とっても好き。全部目に焼き付けてる。

 だけど、私も永遠にその立場にいる訳ではない。もう三年生だし。

後任はいい感じの子に決まって、この中学で思い残すことはない。

…カレーもうちょっと食べたかったな。

 第一志望に選んだ蒼星女学院そうせいじょがくいん豪勢ごうせいな名前に反してお嬢様学校という

訳ではないらしい。だけど、卒業生には芸能人や社長といった、

輝かしい人生を歩んでいる方々がいたり、現役のアイドルがこの学校に

在籍していたりと、色々話題性を集めている学校だ。

そんな原石達を見下ろして、私が生徒会長として演説したり…。

考えるだけでにやけが止まらない。

公式の制服に身を包み、いざ生徒会長ライフ…。いや、高校生活へ。

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