『乙女ゲームのヒロインに転生、科学を駆使して剣と魔法の世界を生きる』感想
タイトル:乙女ゲームのヒロインに転生、科学を駆使して剣と魔法の世界を生きる
作者:アミ100
作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093076582171264
キャッチコピー:現代科学の知識と持ち前の頭脳を駆使し剣と魔法の世界を生きる
あらすじ:
[祝3000PV][アルファポリスHOTランキング最高2位入り]
国立大学に通っていた理系大学生カナは、あることがきっかけで乙女ゲーム「Amour Tale(アムール テイル)」のヒロインとして転生する。
自由に生きようと決めたカナは、あえて本来のゲームのシナリオを無視し、実践的な魔法や剣が学べる魔術学院への入学を決意する。
魔術学院には、騎士団長の息子ジーク、王国の第2王子ラクア、クラスメイト唯一の女子マリー、剣術道場の息子アランなど、個性的な面々が在籍しており、楽しい日々を送っていた。
しかしそんな中、カナや友人たちの周りで不穏な事件が起こるようになる。
前世から持つ頭脳や科学の知識と、今世で手にした水属性・極闇傾向の魔法適性を駆使し、自身の過去と向き合うため、そして友人の未来を守るために奮闘する。
「今世では、自分の思うように生きよう。前世の二の舞にならないように。」
読了時の文字数:97000字連載中
送った星:☆☆
送ったレビュー:『剣と魔法の乙女ゲー世界で少女は駆ける』
比較的シンプルな乙女ゲー転生作品だと思います。現代でプレイしていたゲームの知識を活かし、剣と魔法の世界で科学知識を応用して活躍し、男女問わず友情を深めていきながら、怪しげな陰謀が顔を覗かせる……。
ライトな文体とも合わさって、複雑なことを考えずに物語を楽しむことができます。大会編では割とバトルメインなので、そこは個性的ですね。
作中の要素が好きな人達にとっては、スラスラ読めて楽しめる内容だと思います。
感想
乙女ゲージャンルは専門外ですが、心の中にはいつも乙女を宿しているアラサー男によるレビューの始まり始まり。
乙女ゲーム『Amour Tale』の世界で15歳のカナ・ベルナールとして目覚めた主人公。状況をすんなり受け入れ、優秀な推薦合格者として魔術学院に入学する。現代においてプレイしていた原作ゲームの知識や科学知識を用いて活躍し、同級生達と親交を深め、やがて不穏な影と対峙していく……。
ジャンルに詳しくないと言いつつ、凄くオーソドックスな内容だと感じました。
男子向けの異世界転生作品においても、見知ったゲーム世界に転生し、現代知識を活用し、仲間達の信頼を得て、強敵に立ち向かっていく。
構造としてはそれらに似ていて、とてもシンプルで分かりやすいです。癖が少なく、万人に受け入れられやすい内容だと思います。
文章においてもリズムやテンポが良くて、描写が少なすぎとか会話文が多すぎとかいうこともなく、ライトなWeb小説としてスッキリ読みやすい文体になっています。
細かいことを言えば字下げだったりオノマトペの使い方だったり、改善できる余地は色々あります。
しかしこのテーマや作風で重厚な文章を出されても、逆に読みにくくなるでしょう。それに『文章力』というのは多くの作品に触れてたくさん書いていくことで、自然と上達するものですからね。知識と経験を積み重ねるのみです。
ライトなWeb小説を書いていくのであれば、このスタイルを維持したまま、それでいて切れ味鋭かったり高クオリティな文章を目指していくのが良いかなと思います。その素質は十分にあると感じました。
ストーリーの展開自体もポンポンポンポンと進んでいき、中弛みしたり場面が全然変わらないなと冗長に感じる部分は、そんなにありませんでした。これもまた、Web小説との相性はバッチリですね。
ただ入学して早々に生徒達が試合をする大会編が始まるのですが、そこは少し人を選ぶかもしれません。単行本1巻2巻の段階で天下一武道会とか天空闘技場とか雄英体育祭とかトライウィザード・トーナメントが始まった感じなので、『乙女ゲー世界に転生してイケメンや美少女の友達とスクールライフ!』を期待した読者からすると「あれっ結構バトルするんだね!?」と思うかもしれません。
しかしそれも作品の個性となっており、試合をしながら各キャラの個性だったり主人公カナの戦い方だったり、あるいは友人達との交流も同時に描写されているので、手法としては凄く良いと思います。
それに趣味で書いているWeb小説なのですから、作者のやりたいようにやって良いんですし。楽しんで書いているんだろうな、というのが読んでいて伝わってきました。
文章は成長過程といった感じですし、構成も好みの問題でしょうし、欠点と呼べるほどの大きな欠点はないと思います。このままどんどん書いて成長していってほしいです。
ただWebサイトで人気を得たり読者の注目を集めようとすると、作品を構成する要素がスタンダードすぎる気もします。
乙女ゲー、転生、魔法学校、多様なイケメン達、クラスメイトとの友情、陰謀、現代の知識を活用して無双など……昨今の流行りの要素は最低限押さえていますが、『プラスアルファ』はなかった印象です。
まぁ『奇抜なことをやればいい、変わった要素を入れれば必ず人気が出る』というワケではないので、押し付けることはできませんが……。
幾千幾万もある無料のWeb小説の中から「この作品を読みたい!この作品だからこそ応援したい!この作品からしか得られない栄養がある!!」と読者が思う要素がないと、なかなか数字は伸びにくいのかもしれません。
しかしやはり読者ウケを狙うのが正義とか、閲覧数やポイントを稼がないと意味がないとか、そういうことではないです。読者に読んでもらうために、作者がつまんなそうな顔してイヤイヤ書いていては本末転倒です。手段と目的が逆転しないよう気を付けないといけませんね。
まとめると、これからも趣味として楽しく書いていってほしいです。その中で上達していく伸びしろを強く感じました。
もっと読者を増やしたいのであれば、細かい文章技法とか読者ウケする要素とか、改善できる部分は色々とあります。
ただどちらにせよ、自分が表現したいものを楽しんで表現するのが、結果的に読者へ『楽しさ』が伝わる近道になるとも思います。
今後とも頑張っていただきたいです。
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