企画開始

『光銃閃姫レイガンスリンガー! 〜人気最底辺のメスガキ変身ヒロインが明日から本気出す話〜』感想

タイトル:光銃閃姫レイガンスリンガー! 〜人気最底辺のメスガキ変身ヒロインが明日から本気出す話〜


作者:オリーブドラブ


作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330667094629835


キャッチコピー:自信過剰で慇懃無礼なメスガキ変身ヒロイン、ファンのために本気出します!


あらすじ:

 「ヒーロー」という職業が社会に浸透して久しい22世紀。人気ランキングの上位を目指すスーパーヒーロー達は、ヴィラン狩りという名の点数稼ぎに終始していた。そのうちの1人である「レイガンスリンガー」こと辻沢風花は見た目だけは極上の爆乳美少女なのだが、スタンドプレーの常習犯という厄介な問題児。しかしそんな彼女にも、手柄に拘る理由があり……?

 クリスマスの聖夜を舞台に、「メスガキ」なスーパーヒロインがメカニカルなSFアーマーで大活躍! ……出来るのだろうか?



(本作は小説家になろう、ハーメルン、暁でも掲載予定です)

(本作は「グリット・スクワッドシリーズ(https://kakuyomu.jp/users/HAWK/collections/16816700429138080028)」の一つであり、他のシリーズ作品とも世界観が繋がっておりますが、お話としてはほぼ独立しておりますので本作単体でもお楽しみ頂けます)


読了時の文字数:36000字完結済


送った星:☆☆☆

送ったレビュー:『爆乳メスガキヒーロー、分からせられて分からせる!』

大切なファンのためにもNo.1ヒーローを目指すメスガキヒーロー(ヒロイン?)が大活躍する、個性的でありながら王道のヒーローものでした。

読切漫画のように読みやすく、レイガンスリンガーこと風花の挫折や悔しさ、そして成長や再起がテンポ良く描かれています。

短い内容ながら主人公もヴィランもそれぞれキャラ立ちしており、オチまで含めてシッカリと構成されていて楽しかったです。

メスガキ、豊満ボディ、メカ、ヒーロー……それらの要素が好きだ!という作者さんの情熱が伝わってきて、同じ趣味を持つ読者ならきっと楽しめる作品になっていると思います。面白かったです!



感想

というワケで始まりました。第6弾感想書くマンの企画、記念すべき最初のレビューです。

エッセイ内での感想は、今後はこういった形式でやっていきますので、よろしくお願いします。


感想に入る前に、『光銃閃姫レイガンスリンガー!』の作者オリーブドラブさんは、第1回感想企画の頃から依頼してくださっている方です。オリーブドラブさんが執筆した『ダタッツ剣風』シリーズは、依頼されていない続編も含めて読んでしまうほど面白い作品でした。

星1000とか10000の作品群に比べればあまり数字は伸びていませんが、重厚な世界観と心抉るようなストーリー、そしてそれに見合った感動や読後感を与えれくれる作品で、『ダタッツ剣風』は今まで読んだカクヨム作品の中でも個人的にかなり印象に残っている作品やシリーズです。もっと評価されるべき。


そんな作者さんが今回依頼した『レイガンスリンガー』は、アメコミ感のあるヒーローものです。マーベル作品とかは未履修なので詳しくないですが、『TIGER & BUNNY』や『僕のヒーローアカデミア』などはかなり好きなので、そういった作品が好きな方にオススメだと思います。


近未来、ヒーローやヴィランが存在する東京。ナンバーワンヒーローを目指す『RAY-GUN-SLINGER』こと辻沢風花は、見た目は爆乳美少女なんだけれども高飛車で協調性がなく、他のヒーローやネットユーザー達から嫌われている存在だった。

犯罪組織に所属するヴィラン『ビッグブルチャリオット』と対峙するも敵わず、現在のナンバーワンヒーローであり兄貴分の『ロボルガークロス』に後れを取ってしまう。

悔しさを滲ませる風花だったが、そんな時に捕まったはずのビッグブルチャリオットが脱獄して暴れ出し――。


女性主人公のヒーローものでありつつ、敗北と挫折→協力者を得て再起→パワーアップして強敵に再戦、という王道で胸熱なストーリー展開であり、上質な読切ヒーロー漫画を読んだような読後感でした。

ナイスバディでメスガキっぽい性格だけど、悩んだり悔しがったりしつつファンのために奮起する風花や、そんな風花の『上』を行きつつ彼女に協力するロボルガークロスこと火弾竜吾、敵役ではあるものの本人なりの覚悟や道理を持つビッグブルチャリオットこと紅金牛太郎など、3万6千字の短編でありながら各キャラの個性が非常にハッキリして凄く良かったです。

短い内容でキャラを際立たせ起承転結をまとめ小粋なオチが仕込まれていて、やはり実力の高い作者さんだと感じました。


風花の爆乳ボディの描写や強化パーツなどのメカ描写、展開も含めてとにかく作者さんの趣味や「こういうの好き」というのが伝わってきて、同じ趣味を持つ人には必ず刺さる内容になっていると思います。


ただ逆を言うとそういうのが別に好みではない人にはあまりピンと来ず、風花の肉体描写も執拗なレベルで書き込まれているため、お色気好きな少年ハートを持った読者には良いサービスとなりますが、場合によってはそれ以外の人達に「物語の展開に絡むわけでもないのに、そんなエロスを強調する必要ある?」と受け取られるリスクも孕んでいます。

まぁこれは完全に好みの問題なんですけど。

あと強いて言うなら風花のスタイルを作品の強みとして押し出すのであれば、「爆乳がぶるんっと揺れる」以外にも、セクシーさや豊満さを色々と表現できれば、そっち方面に振り切って更に良くなるのかなと思います。別名義でエロ小説出版したことのある僕が言うんだから間違いない。

ただ官能小説レベルになると、それはそれで作風とズレちゃいますけどね。


それと風花がヒーロー活動を頑張ったり、再戦のための火付け役となるレイガンスリンガー唯一のファン『響太郎』についても、もっと描写を増やした方が良かったんじゃないかなと思いました。

匿名のユーザーではあるものの、具体的なレビュー内容があるわけではないので、風花の行動原理や情熱を支える存在としては、少し弱かった印象があります。

熱意に溢れた長文レビューが作中で出てきたり、アンチから叩かれまくっても孤独に反論したりなどの描写があれば、風花の「この人のために頑張ろう」と決心する流れが、更に強く読者の心に入ってくると思います。

そして細かい口調やワードだったりで、響太郎のオチについて更に「そういうことかぁ~。だからこういう応援レビュー書けたのね!」となると思いますし。


最後に個人的な要望を言うなら、風花のリベンジマッチで、強化後の激しいバトルがもっと見たかったなというのもあります。

エネルギーをチャージしてその間にビッグブルチャリオットの背景を語らせるのは良いアイデアですが、せっかくパワーアップして強敵に挑むという盛り上がる再戦パートなので、もっと肉弾戦だったり撃ち合いだったり道路や看板や車をブッ壊しつつ空も飛んじゃったりしてとかの戦闘シーンがあれば、更に「うおおおおおおおおおお!」ってなったと思います。

そういうスピード感や迫力に溢れるバトルシーンを、間違いなく高水準で描ける作者さんなので。持ち味を活かせッッ。


しかしそれら上記の点は作品の短所ではなく、読み切ったうえで後から「こうすればもっと良いのでは」程度の内容ですし、大きな欠点や改善点ではないです。

3~4万文字のボリュームながら、非常によくまとまっている内容でした。面白かったので迷わず星3を付けました。


今後の活躍にも期待です!

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