第4話

日本時間、2024年3月25日23時53分 とある女性が死亡した時間からの1分間、世界全ての場所で機器に観測されない揺れが生じた。建物の崩壊も自然災害もなく驚いた者による車等の事故も何故か生物には一切の怪我もないこの1分は、世界にダンジョンが出現した時間と同じであり、後に「地球の魔法」と呼ばれる現象になった。

ダンジョンの出現場所には縦20メートル横12メートル奥行き20センチの門が出現し、扉が開いてる状態にも関わらず、扉が別の空間へ行ってるかの様に、横から見ると20センチの厚さが変わらなかった。また、表から見ても先が暗くなっており中が見えず、門の破壊も出来なかった。各国は即座にダンジョンを封鎖した。ダンジョンの中へドローンを送り込むも、何かの生物に落とされ、中の事がほぼ分からなかった。

最初に動いたのはアメリカで、特殊部隊を投入、二時間程で帰還し次の事を報告した。

中には森と草原がある事、中に居る生物には敵対的な生物が居ること、中に居る生物には銃弾が全て弾かれ、蹴りや銃での打撃が有効であること、森の奥に上にある物と同じ門がある事、そして、倒した者の自己申告ではあるが体調が良くなったと報告した。

また、彼らが採取した草や魔物の素材から未知の原子が発見されたため各国はこぞってダンジョンの探索へ乗り出し研究を始めた。

生物の総称は魔物に決まった。

更に魔物を倒すと肉体組織の性能向上、後に『レベルアップ』と呼ばれる現象も観測され始めると、市民への解放を叫ぶ声が大きくなった。

最初に市民への解放へ動いたのは意外にも日本である。市民の声と海外からの圧力により、数十人規模の小説家の意見と学者の意見を参考に会議が開かれ、市民への解放が6ヶ月で成された。

更に6ヶ月後日本を覗く9ヶ所で『魔物の暴走』(スタンピード)が発生し、各国は日本でスタンピードが発生しなかったのは、魔物を倒した量ではなく別の何かがあるとし、日本の法を参考に民間人への解放を決めた。

各国はダンジョンへ潜る物を探索者(シーカー)と呼び始め、ダンジョンがある9の国が集まり世界探索者協会を設立した。初期の頃はダンジョンが無い国からの反発もあったがスタンピードの発生と探索者の犯罪件数の増加により声は少なくなった。

更に一部のダンジョンの五階層から超能力を使う魔物や罠の発生と同時期、人にも超能力を発現する者が現れた。



ダンジョンのある生活が当たり前になった頃、最近話題になってきたダンジョン配信を始めた少女は目の前の存在から目を離せないで居た。ファンタジーでは強者として君臨するもの、「ドラゴン」である

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