第2話

目が覚めると洞窟の中だった。

ドラゴンは暗闇でも見えるのか、どこに何があるかどころか色まで見える。が、こんな何もない所に居たくはない。早く地上へ出たいが魔法のつかい方なんかを調べてから出よう。何もわからないのは危険だ。まずは自身の出来ることを調べてからだ。体の動かし方は…分かるな?歩き方や羽の動かし方も分かると…魔法も?なぜだ?これはドラゴンの本能か、あの球体の仕業か。まあいい、土魔法で地上へ行こうか。

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地上へでてわかった事、それは文明が滅んでいた事だ。おい球体、説明しとけ!と思ったが返事が来るはずもなく、滅んだ都市をながめている、地球でいう中世に似ている文明レベルだ。

そして不自然なのは争った後が無いことだ。都市から人が蒸発したかのように消えている。これが禁忌を使用した代償なのだろうか?書庫の様な場所を探してみる。

わかった事は二つ、禁忌を使用した国の名前はヴィードルであること、禁忌の内容は魔物を世界から消すというもので代償は等価分の魔力、足りない分は人を消費しての使用だった。他の国からは止められていたらしいが強行して魔法を発動、結果滅んだと…バカなのか?

私がこの世界に来たのも、本来は魔物となって消費されるはずだった淀んだ魔力が行き場を無くしたため世界の淀んだ魔力をすべて受け入れられる容量を持つ私を魔物として転生させることで淀んだ魔力を消費しようとしたらしい。

他にも気になる情報があった。ファンタジーの定番、エルフやドワーフが居るらしい。迫害されて、希少種族になってるらしいが彼らなら人では無いし生きてるかも知れない。

だから私がやりたいことは二つ、自分の拠点を創ることと、エルフ達に会いに行くことだ。

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そして5000年がたった。…待って欲しい、「5000年とか飛びすぎ!」とか思ったそこの君!文明が滅んでるから3000年くらいホントに何も無かったんだよ。

エルフ達も世界回っても500人くらいしか見つからないし、ドワーフ何かも同じくらい、しかもどちらも寿命が長いし、良くある様に子供も産みにくくて街レベルの人口になるのに3000年ぐらいかかったし、ドワーフはエルフよりかは産みやすいけどバラバラになってるからそのくらい掛かったんだよ。

一応自分の拠点としてダンジョンを創ったりそれが循環を助ける装置を内包したら、あの球体らしき存在から他の所で創っていいか聞かれたけど、ホントにそれぐらい。魔物は少しは魔力が戻るごとに増えてきたけどこっちにビビってバトルはない、暇of暇状態。

5000年たってやっと都市レベルになったから彼らの前に現れて、交流を始めてみた。

最初はドワーフへ行ったら拝まれた。5000年前に見つかってたらしく神の使いと考えられてたらしい、ドワーフ達と話し合って魔物が来ない私のダンジョンへ種族ごと引っ越し、エルフは最初は難色をしめしてたけど友好国のドワーフ達の説得もあり半分近くが引っ越した。

そして更に1000年人口は50万人を越え国と表現しても良くなったとき私は地球へ帰りたくなった。

彼らは確かに人口も文明も発達していった。だが、発展が遅いのだ、恐らく他の競争する存在が居ないのと魔法があるせいだと思うのだが、彼らは鉄を使い始めてから1000年がたっても電子機器を作れなかった。

私自身はただの元学生、文明レベルを上げる方法なんて分かるはずもない。更に不味いのは食生活だ、エルフとドワーフは人の形をしているだけで別の生物、味覚も違く彼らにとっては旨くとも私の口には合わない味があり、地球の料理を再現しようにも食材から違うためそれも難しい、日本が恋しいと考えてたとき、あの球体らしき存在から連絡があった。

何でも色々な世界でダンジョンを創ったことで世界が多く安定し崩壊を免れたらしい。

「なので、あなたに何か報償を渡そうと言うことになりまして何か欲しいものがありますか?」

「な、なら、地球へ帰りたいです!何とかなりませんか?」

「魔力の循環自体はダンジョンがあれば大丈夫そうなんですが…、実はあの世界の人類って滅んでるんですよ」

「えっ?」

「あなたが転生してから核戦争や核汚染地域から産まれたウイルスによって人類は滅びました。」

「そんな…。」

「主が許可すれば時間を戻すことも可能ですが、同じ運命を辿ると思いますよ?ですから……今、主から連絡がありました、『地球をファンタジー化してみないか?』だそうです。」

「ファンタジー化?」

「本来世界に魔力があるかどうかは最初に決まります。後から付け足すのは私達が直接干渉しないと無理ですし、私達の干渉は禁止されています。ですが、あなたの功績等からダンジョンを設置して地球をファンタジー化することで未来を大きく変える、そして滅びを回避するという方法が許可されました。どうします?」

「そうすれば地球は大丈夫なんですよね?」

「確実ではありませんが未来は何らかの変化を見せるでしょうね。」

「…やって欲しいです。お願いします。」

「わかりました。では詳細な方法を教えます。最初に第12568世界をあなたが死亡した2024年へ戻します。

そして世界の10ヶ所へ私達が創ったダンジョンを設置します。場所は、カナダ、ブラジル、エジプト、スウェーデン、インド、オーストラリア、ハワイ、南極、フィリピン、日本です。あなたには日本へダンジョンを創って欲しいのです。」

「日本が二つもあるんですか?」

「魔力を世界へ循環しやすいようにプレートがあるところへダンジョンを創ります。日本は四つのプレートの内三つの大きなプレートがあるため二つ創ることになりました。他にも四つのプレートがある所もありましたが大きなプレートが二つだったりして循環の効率が悪いためこの配置になりました。日本へはこの世界にあるあなたのダンジョンのコピーを出現させます。」

「なかに居るエルフ達もですか?」

「はい。」

「わかりました。あっ、地球へ行くなら少し変えたいです。」

「なら一度別の空間へコピーを創りますのでそこで変えてください」

「はい、わかりました。」

「では、始めます。」

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作者欄です

二つ目を間違えて投稿しました。すみません。

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