第43話 存在意義
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俺の存在意義はなんだ?
主人格の心が安定している。
だとしたら、俺のいる意味はあるのか?
北条真奈を危険に晒したのは、東城明久ではない。
間違いなく俺自身だった。
俺が足を引っ張っているから……。
このまま消えてしまえば……もうこんなに辛い想いをしなくていいのではないか。
もし人生に意味があると言うなら。
誰か教えて欲しい。
俺が護りたかった世界は?
俺が護るべき世界は?
俺の使命は?
俺の存在意義は?
一体なんだと言うのか、教えて欲しい。
もう一人の俺はやはり優し過ぎる。
既に用済みとなった俺の存在を未だに認めている。
こんな偽物の心なんて早く捨てればもっと輝けるというのに。
自らの力に制限を掛け、本来の姿と変わらない自分であり続けようとしている。
そんなことは不可能だ。
幾ら天才を偽っても。
どれだけ周囲が天才だと認めても。
俺とアイツだけは知っている。
それがメッキであることを。
メッキが剝がれるリスクを負ってでも護ってくれるアイツの優しさが逆に苦しい。
心の内から見ていて、心の何処かで俺のことをいつも心配しているのも見て取れる。
彼女の意識は時期に目覚める。
なのに、二度と同じ過ちが繰り返されないように××を調べている。
恐らく俺に安心して欲しい願いがそこに隠れているのがわかる。
北条真奈だけじゃなくて、部下だけでもない。
俺までも救おうとしている。
事あるごとに、そんなことをしていたら再び潰れてしまうかもしれない。
俺は……どうしたらいいんだ?
誰かもう一人の俺を救って欲しい。
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