歯車の街

能魅

歯車の街

カーテンを纏った娘は

硝子製の灰皿でうごめく

常識へとどめを刺した


生命の灰と安らぎの星へ

ましろなため息を零し

まだ見ぬわが子と循環作業を勤しむ


体内に保有する海を見たかと

消灯時間間際にいつも訪れる

風が歯車の工房を駆け抜ける


今日も歯車の街は

ほら、そこにある


ようこそ歪みの隙間を縫って

赤いバスタブで眠る

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歯車の街 能魅 @noumi6

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