角川文庫『100分間で楽しむ名作小説 黒猫亭事件/横溝正史』
「金田一耕助と謎解きの100分間。いつもより大きな文字で届ける厳選名作
少し前まではのどかな武蔵野の風情を色濃く残していたG町の繁華街に、夜になると菫色の灯りがともる「黒猫」という酒場があった。つい一週間ほど前に経営者が代わり、無人のはずの店の裏手で、何者かが地面を一心に掘っているところに出くわした巡査はそこで腐乱屍体を発見する。金田一耕助は世にも難解な顔のない屍体の謎を見破ることができるか。」
以上公式より。
角川文庫の新シリーズ「100分で楽しむ名作小説」の創刊第一期10作品の中のひとつ。文字大きくするの流行ってんのかな。
装丁が好きだったので買いました。
もう一冊『曼殊沙華/宮部みゆき』も買った。積読。
読みやすさを打ち出したシリーズということで、なるほど確かに読みやすい。
たぶん私にとっては初横溝正史ですが、なんとなくこのくらいの年代のやつは旧仮名遣いとかで引っかかるほどではないにせよ、するする読めるものではない、みたいに思っておりました。しかし本作はするする読める。
そもそもそういう文章なのか、シリーズとして手を入れたのかはちょっとわからぬ。
金田一耕助は映像作品ではちょいちょい見てましたが、小説で読んでみるのもいいかもな、と思いました。この空気感は嫌いではない。
まあまあ陰惨な描写もありますが、これくらいなら許容範囲。
とはいえ陰惨だな。底に蠢くものがね、陰惨なんですよ。這い上がろうとしてくる陰惨がある。
当時の、今ではレトロな空気感と、人間模様。そしてトリック。
面白かったです。
読者諸君はいかに?(これが言いたかった)
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