第12話 早々アリ退治

 一晩経って、早速ダンジョンに向かう。

 マリーの死体の件はちゃんと説明して納得してもらった。

 俺の方も普通ホムンクルス作るのに死体丸ごと使わないってのも理解した。


「行ってきまーす!」

「おいおいおい、ちょっと待て、お前防具どうした?防具!」


「ん?あぁ、俺はゴーレム乗りだから防具は着けれねぇんだ」

「んな事はねぇだろ!ゴーレム乗りだって装備できる防具はあるぞ」


「あれ?そうなのか?いやぁ悪い悪い、ずっとそう言われて来たから着けれねぇとばっかり思ってたわ」

「知らなかったなら仕方がないな」


「だよな、んじゃ言ってくるわ」

「おーそうかそうか、気をつけてな!」


「おーしみんな行くぞー」

「はーい」

 …

 …

 …

「防具つけてけぇぇ!」


 遠くでなんか聞こえたけど、気にしない。


 10階までは前回マーキングしたからすぐに来れる。


「ボス倒したら、出るのも入るも出来る石碑あるんだよな?」

「そうですね、ただ、そのボス倒すのにみんな苦労してるんですけどね」


「MP回復するポーションはたっぷり持って来てくれたか?」

「はい!言われた通りあるだけ全部持ってきました!」


「よーし!じゃあここからはヨーヨーと斧の二刀流でいくぞ!マリーよろしく!」

『はい、どうぞ』

「よーしみんな!遅れないようについて来いよ!超ー!でんきー!ヨーヨーーーーーー!」

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「…すいません、マリーさん今目の前で起きてる事が理解出来ません」

『まぁ、普通そうよね』

 そこでは複数で近づいて来るオークやホブゴブリンが次々丸い盾らしき物が飛んでいって切り刻み、かろうじて生き残った奴が斧で真っ二つになる光景が繰り広げられていた。


 たまに出て来るオーガも多少の抵抗は見せるものの、末路は一緒だった。


「ポアン、MPポーション!」

「あ、はい!」

 ただ、MPポーションの減りだけは凄まじくすごい勢いで消えていく。


「ショウさんって、絶対何か特殊なスキル持ってるか、おかしなステータスですよね」

『あの人なんかやたら教会嫌って寄りつかないから、ステータスちゃんと見たことないのよねぇ』


「教会嫌いなんですか?」

『なんか、神様に騙された!俺はあいつを信じねぇ!とか言うのよね』


「まるで神様とあったみたいな言い方ですね」

『そうね、もしかしたら会った事あるのかもね』


「マリーさん的にはどんな能力持ってると思います?」

『おそらくだけどステータスは平凡だと思うの、スキルが反応系と戦闘系の強力なのあると思うわ。

 彼、相手の攻撃全然当たらないでしょ、視覚以外で何か察知して考えるより早く避けてると思うのよね。

 それと、彼どんな武器でも最初から使いこなすの、それと素手で何殴っても手を怪我しないのよ』


「本人自覚ないんですか?」


『兵隊として鍛えられたからなって必ず言うわ。

 貴族連中が何とか潰そうと思って、とんでもないシゴキをしたみたいよ。

 それを乗り越えたから強くなったって思ってるみたい』


「そういうものなんですか?」


『それであんなに強くなれるなら皆んなするわよ』


「おーい!あれボスじゃねぇのか?」

「え!あ!ボスだ!なんか雑談してたら10階まで降りてきちゃったんですけど」


『あの人タフよねぇ』


「流石にアレはゴーレム使わせてくれよ」

『ええ、ここまで来るのにたっぷり魔石確保したから大丈夫よ』


「よっしゃぁ!こーい、ゴーレーーーーーム!」

 ゴーレムが俺の背後にせり上がる。


「あ!ボス達が今の声に反応してこっちきてます!」

「やべぇ!早く乗り込め!」

『はぁ、何でこの人は毎回学習しないんだろ』


 ボスはトロール1体とオーガ2体だ。

 通常のやつよりひと回りでかい。


「なぁ、これって乗り込む方法変えられないか?」

『えー、今からぁ』


「こうな、腕クロスしてゲーーーットイン!って言ったら、光出て来て中に入れるみたいな」

『出来るかぁ!』


 ヨーヨーを盾にし相手の攻撃を受けながらオーガの首を飛ばす


「そっかぁ、出来ないかぁ」

 ショボーンとなりながら、もう1匹のオーガをヨーヨーで八つ裂きにする。

『もう…時空魔法を転用して短距離転移で中に入るくらいで我慢して!それだって大改修必要なのよ!』


「本当!やったー!じゃあさ!もう1個お願いしていいか!」

 ボストロールの攻撃を全て華麗にかわしきって後ろに回り込む。


『ダメよ』


「この操縦の用の手首や足首の輪っかのやつさ」

 合気道のような動きでボストロールをころばせた。


『聞いてる?ダメッて言ったのよ』


「うん、それでな、こう!全身スーツみたいのにしてもっと細かい動きまでトレース出来るようにしてさ」

 絶妙にトロールの上で相手の動きを封じて相手を立ち上がらせない。


『だからぁ、ダメ…それ面白そうね!スライムの素材改良したら出来るかも』


「だろう、絶対食いつくと思ったんだよ」

 相手の首を裸絞めのようにしながら、キャメルクラッチをする。

 操縦席の中までゴキッという音が聞こえた。


『あら、終わったみたいね』


「いや、操縦席と外の惨状の温度差!」

 思わずポアンが突っ込んだ。


「おし、魔石拾ってアリ退治に行こうぜー」

全員で外に出て、ゴーレムは異空庫にしまう。


「あれ?ボスってこんなに簡単に倒せるもんだったっけ?」

「ゴーレム居たし」


「え、あー、ん?そう…なの?」


「だってマリーの開発したゴーレムだもん、強いに決まってる!」

『ゴーレムって操縦者の力量が著しく影響するものなのよ』


「えーなんか俺がすごいみたいじゃん!いやー照れるなぁ」

 そんな会話をしながら、21階に降りる。


 ここはまだ巣ではなく、地表の状態になっているところをアリが徘徊している。


「ふ、見てみろ、アリが人のようだ」

「いえ、アレは人ですよ」


「ん?あれ?何だずいぶん人多いな」

「アリの素材集めするならわざわざ巣に入らないでここで収集しますからね」


「巣に入った方が沢山手に入るだろう」

「その分危険ですよ」


「なるほど!じゃあ巣に入るか!」

「じゃあの使い方間違ってますよ!」


「大丈夫どう見ても負ける気しない!」

『この人が負ける気しないっていう時は大丈夫よ、恐らく危機察知みたいなスキルあるんだと思うわ』


「へぇ、じゃあ大丈夫ですね」


『彼だけは間違いなく大丈夫でしょうね』

「ん?何か言いました?」

『何でもないわ、行きましょう』


【後書き】

 お読み頂き、ありがとうございます。

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