第13話
「本当に、本当にありがとうございました!」
「良いよ。でも、もうしないでよ」
「はい!!」
ーーーー
「・・・何で、わざわざ、罰を重くするようなことすんの」
どう言う風の吹き回しだろうか
「・・・春宮さんが自分で言ってたじゃん、チキッてんっての、あってるよそれで」
「それは、アンタが虐められるのが怖いからと思ってたから、もう既に虐められてるのに、なんでわざわざ軽くすんのって話」
「それもチキッてるからだよ、復讐とかされたら怖いし、現に秋宮さんもそうだったみたいだし」
「でも、それなら、学校に報告とか中途半端なことしないでしょ」
「それは約束だからしないといけないから」
「意味わからないよ。人のこと怒ったり、変に許そうとしたり」
「・・・普通だよ。俺みたいな人は沢山いる。
「いないわよ、」
「いる!!」
「・・・っ」
「春宮さんには分からないだろうけど、恐怖や他人を傷つけたい気持ちと、それでも優しくしたい気持ちが混ざるんだよ」
春宮さんは、何もいい返そうとしなかった。急に怒った怒鳴った声で言いだす俺に、ビビってしまっているのかも知れない。
「俺だって分かってるさぁ。今許したら、秋宮さんも夏宮さんも、春宮さんも!!他の誰かを傷つけるかも知れない、だから俺がするべき処置を下すべきなのは分かってる。」
「なら、」
「だけど、チキンで人が絶望するのが見たくない俺には出来ないんだよ。春宮さんみたいに、妹やお母さんみたいなアンタを大切に思ってくれている人がいるなら尚更!!それに、いいだろう別に!、俺が我慢するだけなんだから!!好きにさせろよ!!俺だけなんだから!!」
「そんなの、言い訳ないじゃん!!」
「良くないよ!!言っててよくないよ!!でもそれしか出来なかった、チキンの俺はそれしか出来ないんだ!!」
「・・・っ」
春宮さんは、俺の顔を見て、同情した苦しいんでいるような顔をする。
そうだよ、俺はそんな弱い人間だよ。クソ雑魚だよ。
チキン野郎だよ、チクショウ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます