シニガミ兵器
最悪な贈り物
プロローグ
プロローグ
パチン。
両手を優しく叩いた。
朝日が降り注ぐマンションの玄関。
俺はそこで母の写真に向かって静かに合掌する。
やがて俺は目を開けると、「言ってきます。」と優しく母の写真に言うと、玄関の扉を開けた。
エレベーターを使ってマンションの一階に降りると、そこには見慣れた黒髪の幼馴染。
俺はエレベーターを降り、少しリッチなロビーに足を踏み入れると、真理は俺に気づいたのかスクールバックを持ってエレベーターに近づいてきた。
「やっほ!
琉杏はそう言いながら手を後ろで組んで笑顔で俺の顔を覗き込む。
「おはよう。」
真理は少し頬を赤くすると、ざっと三秒間間を置いてから、「じゃあ、行こっか」と言った。
ショートヘアーが揺れ、胸元の制服の赤い結びが揺れる。
俺はそんな琉杏を見ていた。
「え、えっと…何かついてる?」
「え?あ、いや、何もついてない。」
「そっか!よかった!」
高層ビルが立ち並び、太陽光が注がれる。
いつになっても、ここ、東京の人通りの多さは変わらない。
「そういえばさ!私達ってほんとに付き合ったんだよね?」
琉杏は何か心配そうに俺の顔を見ていた。
「うん。そうだよ。」
俺は何の表情も変えず答える。
「じゃ、じゃあさ…っ…手…」
真理が頬をさっきよりも赤らめて言った。
「ああ。手ね。はい。」
俺は真理の指を自分の指と交差させて、手を握る。
「ひゃっ!き、急にやらないで…」
「?なんかごめん」
「べ、別に謝んなくても良い…」
「そうなの?ごめん」
「ん~~!!!」
真理は今はまだ暑くないのに、頭をかいた。
カンカンカン。
俺達は、金属音の鳴り響く工事現場を通り過ぎる。
「そういえばここ。ずっと工事してるよね。」
「確かに。なに作ってるんだろう?」
「さあねぇ」
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