第15話 華麗なる傀儡の傀儡

ピッ。リモコンで探偵事務所のクーラーを下げる。

水を一口飲み、探偵から訊いた情報をまとめたメモを見る。

探偵と教祖が口を開いた。

「さあ、フィナーレだ。」

「後は、任せたよ。今僕は、君の操り人形だ。」

やってやるか。

「まず、犯人から言ってしまいましょうか。

犯人は、奈良芯。あなたです。」

奈良が焦る。そらりゃそうだ核心だから。

「証拠があるのかよ。」

「はい、まず1つ目被害者と争った形跡。これは、後々の証拠と繋がるので置いときます。そして、2つ目です。揺さぶった甲斐がありました。あなたは、殺害したその日、被害者と会いましたね。しかも恋でね。」

奈良が喋る。

「違う!俺は、決して不倫なんて…」

「あれっ!今、不倫って不倫なんて言ってないですよ。まさか被害者と関係があるのですか?」

奈良がさらに焦る。

「では、次に壁の銃痕。被害者にも撃ち込まれたことから計2発撃たれたことになります。ここからは、私の推理です。あなた、いや奈良芯は、妻子を持ちながら坂本彩菜と関係を持っていた。しかしいつかは、バレる。きっと殺害の時にも会ったのでしょう。バレていたなんて思いもせずにね。しかしバレていた、口論から争いへエスカレートしていった。しかし予想外の事が起きた。そうです。爆破銃撃事件が起きたのです。これなら殺害しても爆破銃撃事件の事になり、全てリセット出来る、が銃を使うのがさぞ久しいかったのでしょう包丁で軽く刺し、一発外すがもう一発を当て殺害完了といったとこでしょう。」

奈良が叫ぶ。残りの警察官は、呆気に取られていた。

数時間後、奈良芯は、捕まり罪を認めたらしい。

ー探偵事務所ー

「お疲れ様、樋上君。名推理だったよ。」

探偵が褒める。ワトソンさんも褒める。

「見直しました。やはり私なんかより推理力があります。」

探偵に言った。

「ホームズさん、あんた。どこで気付いていたすか。あの揺さぶり、狙ったでしょ。操り人形なんか言ってるけど逆に僕が操り人形だったってことでしょ。」

煙管を蒸かせ、ニヤける。

「さあ?どうでしょう?銃を持ってた非行少年の言うことなんてただの戯れ言だよ。」

ワトソンさんが吹き出す。

事件解決した後の風は、何処か憎らしく、何処か、楽しく、何処か寂しかった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る