第11話 後の祭り

インマヌエルの襲撃が終わり数日後、探偵事務所に入り浸っていた。

インマヌエル達は、役目を果たした後爆発によって自ら散った。 

なにより派手な爆発なので証拠も失われ、捜査も困難らしい。

サイトでは、「神の裁きだ」や「祟りだ」などと言った声も出て、「神の鉄鎚」なんか言うサイトまで出てきた。

話を戻すとなぜ私が探偵事務所に入り浸っている理由は、ただ一つ探偵を潰すため。

クーラーが効いていて、冷たいお茶やらコーヒーも無料で飲める。

正直言って住みやすい。これも理由の一つなのかもしれない。

椅子に座っていた探偵が腰を上げた。

「さあ、調査に行こうか。ワトソン君、樋上君。」

「もう爆破襲撃事件は、散々調べましたよ。そもそも証拠がないですし。」

ワトソン君が口を開いた。

「違うよ、ワトソン君。今から調査するのは、別の事件だよ。別の事件。ちょっと前に依頼を受けてね。今はこんなんだから警察も忙しいだろう。対応できないだろうね。書類作成が大変だしね。」

別の事件?この辺の情報は、信者が事細かく知っているはず。後で聞いてみるとしよう。

「その事件は、殺人事件すか?」

思わず聞いてしまった。

「勿論!名探偵シャーロック・ホームズに相応しい事件さ!」

目を輝かせ、生き生きしている。

「樋上君も興味あるんだ。殺人事件。樋上君は、推理力も悪くない。ワトソン君よりも上かもね。よし、樋上君、君も一緒に事件現場に来なさい。」

「ちょっと待ってください!」

ワトソン君が口を挟む。

「樋上君には、危険です。確かに推理力は、あるかもしれないですけど私は、武術を心得ています。樋上君は、高校生です。あまりにも危ないです。」

「そうか、そうか確かにその通りだ。樋上君は、素人。犯人が襲いかかった時には、足手まといかな。樋上君、君は、事務所で待機してなさい。証拠は、君に送るよ。んじゃよろしく〜。」

探偵とその助手は、扉を開けて一歩踏み出した。

外の熱風が頭から爪先に靡く。

部屋の中は、熱風が冷風を押していた。




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