第4話 制裁

今日も美術室へ駆け込む。

教祖様に会うために、廊下の生徒達を避けながら美術室に着いた。

「今日は、一番乗りか。」

教祖様や他の信者は、まだ来てない。

この美術室は、老朽化かなんかで教室として使われていなかった。

それに人目が少ない所にあるから余計静寂に感じた。

教卓に一冊の手記が置いてあった。

興味本位でページをめくった。

ー手記ー

学校の帰りだった。

真莉愛をいじめていた数人が待ち伏せしていた。

片手には、バットを持ちこちらを睨む。

不味い、不味い、心が焦ってるのを感じた。

心拍は90を越えていた気がする。

今居る場所から切って返して、学校へ向かう。

向かう途中に信者に連絡した。

鈍器、手袋持ってこい。

忠誠を試す時だ。と

連絡した後、X地点へ向かった。

信者の声が聞こえる。

「殴れ!」

叫んだ。

ドンッ、鈍い音と同時に数名が倒れた音がした。

「勝った...」

X地点は、海の近く、人目の付きにくい所で防犯カメラも少ない道を通った。

計算通り、今日殴り込みに来るのも全て計算通り

だった。

倒れた人を海に投げ捨て、その場を颯爽と去った。             7/2 晴れ

                  ー日神ー

手記を閉じた。手の震えが止まらない。

畏怖していた。いや違うこれは、興奮だった。

教祖様が下した鉄鎚が世の中を変えるのだと。

ドアの開く音がし、信者が続々と入ってくる。

外には、入道雲が立っていた。

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