第20話 頭の中で

エネから流れるような動きで、俺達3人は手錠をはめられた。

ファイ子は不満げに

「元老院は請願書を却下したのですかー?」

エネを見下ろして言う。

「残念ながら」

エネがうつむいたまま答えると、ファイ子の視線を避けるように上を向いた。

俺達も上を向くと以前見たのと同じ形のUFOが空から飛んできていた。


「あれ……」

目覚めると自室のベッドで布団をかけずに寝ていた。

そしてその横には何故か下着姿のチリが気持ちよさそうに寝ている。俺もトランクス一丁だ。お互いの体は汗一つかいてない。部屋を見回すと、丸机にメモのような紙を見つけたので、チリを起こさないようにそれを見に行く。メモには丁寧な文字で

「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。ファイ子様は、しばらく休学となります。エネより」

と書かれていた。


あぐらをかいて座り込み、しばらく何でこうなったのか考えようとする。

……要するにテルミの家が廃れていた原因がファイ子にあるんだよな。それで手錠をはめられて、たぶんファイ子は休学という罰を受けたとか?どこかで服役でもしてんのか?だったら笑えるけど……いや、ひどい目に遭ってなければいいが……何か心配に……。

「あー!なんで脱いでんのっ!」

チリの声で我に帰る。振り返り

「起きたか。気づいたらベッドで並んで寝てたんだよ。なんもしてねえよ」

チリは急に恥ずかしくなってきたらしく顔を真っ赤にして、自らのブラを腕を回して隠そうとしつつ、ハッと思い出した表情になり

俺が差し出したメモを見て、絶句した。

「……ファイ子ちゃんUFOで連れて行かれて

私達は寝かされて、ここに置かれたとかなのかな……」

「たぶんな。しばらく休学らしいからな」

チリは腕を組んで考え込み、思いついた顔になると

「ね、ねえ、えいなり」

ベッドに手招きしてきた。近づくと手を伸ばしてきて引き込まれ

「あのさ、今からこないだの続きを……」

小声で耳元に囁かれた。半ば呆れつつ

「……いや、ファイ子が心配じゃないか?」

チリはさらに俺の背中に腕を回してきて、頬を赤らめながら

「で、でも、今がチャンスだよねっ」

小柄な柔らかい体で強く抱きついてきた。

「……」

頭は天井を仰ぐが、体は正直で、どうやらいけそうだ。

「セフレじゃないからねっ。今日から正式に付き合うためだからっ」

チリは顔を真っ赤にして強く抱きしめてくる。まあ、いいか。テルミを諦めねばならないけど、こうなる運命だったのかな。

などと思いつつ、チリのブラを脱がそうと背中に手を回すと、頭の中で

「ぬがあああああ!むぐうううう!」

まるで口に猿ぐつわをされたようなファイ子の苦しげな声が響いてきて、俺は途中で固まった。

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