『逆効果音楽』

やましん(テンパー)

『逆効果音楽』


 独裁者あらわる。愛国者だが、冷酷、無慈悲、と言われる。




独裁者


 『はかせ。これは、なんの実験かね? わざわざ、わたしを、呼び出してきたからは、あんたさん、命がけだべな。しくじったら、即、生きたまま焼却だべ。ふふん。そくしんじょうぶつ〰️〰️〰️〰️🙏』



 独裁者の配下のものが、人体焼却銃を見せる。



博士


 『かかかかか。その銃を作ったのは、わらしですがもな。かかかかか。』



独裁者


 『あ、そ? なの? ま、たくさん博士はいるべからなあ。』



博士


 『はいな。かかかかかか。まあ、そこは、見てのおたしみ、ですぞなもし。………きみ、被験者を実験室に入れて。』



 助手………震えながら……



助手


 『あ、あい。』



博士


 『これは、つまり、逆効果音楽の検証です。』



独裁者


 『逆効果音楽?』



博士


 『はい。楽しい音楽を聴くと狂暴になり、悲しい音楽を聴くと、乱暴になり、優しい音楽を聴くと、残虐になります。』



独裁者


 『ほう、………、ならば、残虐な音楽ならば?』



博士


 『おとなしく、なりますな。たぶん。』



独裁者


 『ふうん。』



独裁者の第一秘書


 『なにが、悲しくて、なにが残虐な音楽なのかな?』



博士


 『そこは、本人の認識を予め調べておく必要がありますなあ。激しいロックを聴くと、心が静まる若者もある。悲しいチャイコフスキーを、聴くと、腹が立つ人もある。それが、良いのです。いずれ、その人の感情を非常に激しく揺さぶり、行動制御不能に陥ります。暴れまわり、大活劇を繰り広げ、ならば、もはや、殺されるまで止まりません。また、身体能力が大幅に向上します。それもまた、効果なのですぞな。』



 助手、別室から、目隠しをした、被験者、ヤーヤーマーシンさんを、実験室に入れて、椅子に座らせる。



博士


 『このひとは、なにを聴いても悲しくなります。つまり、たいがいは、なにを聴いても、残虐になるはずれす。ただし、このひと、ヨハン・シュトラウスさんだけは、例外で、普段それを聴くと燃え上がりますから、たぶん、おとなしくなる。ま、消火剤ですな。』



独裁者


 『それでは、しかし、やたらめったらで、いささか、困るであろう?』



博士


 『あい、なので、音楽プラス、逆効果の元、を加えるのです。また、あらかじめ、反応薬を飲ませておきます。調合は、やや、専門的になりますな。しかし、最大の秘密は、さらに、このチップにあります。これこそが、偉大なる発明なのですぞな。この、チップから発せられる逆効果の元、だけでは、なんの効果ももたらしません。音楽と、本人と反応することにより、初めて効果を発現するのれす。』



独裁者


 『やってみたまえ。』



第一秘書


 『きみ、安全性は、ダイジョブか?』



博士


 『ご心配なら、止めましょう。』



独裁者


 『いや、おもしろい。やりたまえ。』



博士


 『はっ。ここには、もちろん、逆効果の元は、侵入できない構造になっちいます。また、われわれさは、反応薬を飲んでいませんからぞな、安全れすぞな。音楽だけが、聴こえます。では。目隠しを外してきたまえ。』



助手


 『あい。』



 助手、目隠しを外しに実験室にはいり、ヤーヤーマーシンさんから、目隠しを取り外す。


 すると、博士が、スイッチを押した。


  がちゃ!


 助手、部屋から出られなくなる。



助手


 『博士ー。鍵しまってます。出してくださ〰️〰️い。』



博士


 『きみは、実験助手なんだ。最後まで付き合いたまえ。始めよう。』



助手


 『わ〰️〰️〰️〰️。出してくらさい〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️』



第一秘書


 『あなた、冷酷ですな。』



博士


 『なに、仕事ですからなもし。では、まず、‘’モーツアルトさんの、レクイエムから、ラクリモサ。‘’』



 う、ちゃちゃ、う、ちゃちゃ、う、ちゃちゃ、う、ちゃちゃ、


 合唱


 『ラークリモーザ、


    ディーエス、イーラ


 ~それこそは、涙にくれる日なり~


      …………………』





ヤーヤーマーシン


 『うわぁお〰️〰️〰️〰️〰️〰️がお〰️〰️〰️〰️。じょわ〰️〰️〰️〰️。ぎわ〰️〰️〰️〰️✨』



 ヤーヤーマーシン、暴れだす。


 身の危険を感じた助手は、かべに張り付いているが、殴りかかられる。ものすごい力だあ❗

  

 かべに、ヒビが入る。



助手


 『やめ、やめ、ヤーヤーマーシンさん。ぼくです。ぼくです。わ〰️〰️。暴力はんたい〰️〰️〰️〰️』


 助手、ぼこぼこにされる。



独裁者


 『ほう……芝居ではないかな?』



博士


 『いざ!』



 天井から、ナイフが落ちてきた。



博士


 『では、‘’歌劇カヴァレリアルスティカーナ、間奏曲。‘’』


 

 

ヤーヤーマーシン


 『うぎょ。うぎょわ。ギャー。わっちゃわ〰️〰️〰️〰️、どぎゅわ〰️〰️〰️〰️。』


 

 ヤーヤーマーシン、ナイフを拾おうとしたが、若いすばしこい助手のほうが、早かった。


 

助手


 『けっ。ヤーヤーマーシンさん。やめようよ。ね? はくし! 止めましょう。まだ。間に合います。』



博士


 『はあ? なにをいっちるかね、きみ〰️〰️。はははははは。まあ、任せるよ。』



助手


 『む。甘見ないでくださいよ〰️〰️。』



ヤーヤーマーシン


  ナイフを恐れない。


 『ぎわ〰️〰️。おぎゅわ〰️〰️〰️〰️。びちゃわ〰️〰️〰️〰️。どぎゅわ〰️〰️。くちゃら〰️〰️〰️〰️。さばあ❕ びゃ〰️〰️〰️〰️。いびゆやワギャー。キチャラ〰️〰️〰️〰️〰️〰️。らいやわ〰️〰️〰️〰️〰️〰️‼️』


 ヤーヤーマーシン、助手に殴りかかる。



博士


 『かかかかかかあ。よいよい。やれやれ。』



第一秘書


  独裁者にささやく。


 『かなり、このひと、危ないですな。』



独裁者


 『ふん。許容範囲。』



助手


 なかなか、ヤーヤーマーシンをきりつけられないが、あまりに強くなっていたので、ついに、助手は、追い詰められた。



 『はかせ〰️〰️〰️〰️。しかたない❗』


 助手、ポケットに入れていたスイッチを押す。


 コントロールルームに、霧が立った。


 

第一秘書


 『これは?』



博士


 『や? なんだろう。』



 

助手


 『ぼくが、ちょっと、手を加えていました。チップ波は、そこにも広がります。さっきは、薬を撒きました。ははははははは。』



 助手、自らを、ナイフで刺す。


 コントロール・ルーム内は、めちゃくちゃな、殴り合いになった。


 さらに、ナイフや、拳銃が、降ってきたのである。


 




  🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇















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『逆効果音楽』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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