魔法学園の落ちこぼれ~召喚授業で呼び出した神獣達が「相棒を虐めるな」って激おこです。~

綿津見海斗(風音)

第1話なんで俺?

「ユウキお前、学園の試験合格してたから明後日から王都いきな」


晩飯の途中、親父がボツりとこぼした。


……


「はあ?」


「いや、はぁ?じゃなくてな。先々月受けたお前が受けた学園の試験結果が先週届いたんだがなんの手違いかお前が合格してたんだよ。」


俺は咄嗟には理解できなくてステーキとサラダとバケットをたいらげてジュースて流し込んみ

親父である辺境伯 ロージ・ファームを問い詰めた


「俺が受かるわけないじゃん。スイコウの兄貴もドコウの兄貴も落ちたのに」


「だから俺もな信じられなくて学園に聞いてみたんだよ。そしたら“実技は落第ですが筆記は満点、面接は好印象、そして…皇太子殿下がファームの三男が来ないなら行かないと…”だと。つまり」


なにいっちゃってんの?あのバ○皇子は?


俺には二人の兄貴がいるんだけど二人とも落ちて騎士学校と貴族学院に通っている。

今回俺が受けて合格した(させられた)“快晴魔法学園”は俺達の暮らす大魔法国家“エアリアル”の誇る教育機関で世界中魔法使いならば一度は憧れる文字通り魔法きぼうに溢れた場所。らしい。

まぁ大半は魔力が強い貴族達の出会いの場所で平民でも魔力さえあれば合格であいの可能性がある。

うまく行けば結婚たまのこしに乗れる…かもしれないし貴族側も魔力の高い素質を取り込める好機であり双方とも必死だった。

だからか受験生の数もヤバかった、千や二千じゃきかないんじゃないかな…(俺の時も試験は2日にわけて実施された)

思い出しただけで人酔いしそう。


「タイヨウの奴…」


「まぁ頑張れや(笑)」


俺はいらん事言った幼馴染みに恨み言呟きながらとりあえず愉快そうに口許を動かす親父にチョップしてやった。

☆⭐★☆⭐★☆⭐★☆⭐★☆⭐★☆⭐


とまぁここまでが昨日の話だ。


「来ちゃった」

目の前にアポイトメントをとらず突撃してきたこの国の皇太子さま。

幼さは残るが男性的ながっしりとした体躯に金色に橙がまざったような髪色

「…はぁ」


なにしに来たんだよコイツは とりあえず心底嫌そうに溜め息をはいて



「ようこそおいでくださいました。タイヨウ皇太子殿下、長旅お疲れでしょう、こちらでおくつろぎください。」


俺は貴族モードの爽やか笑顔で応対した


「皇太子を溜め息で迎えておいてそれは無理ないか?」


「なんの臣下として殿下に礼を尽くすのは当然のこと、たとえ“いきたくもない学園に行くはめになった元凶”であっても礼を尽くさなくては」


「怒ってる?」


「まさか、皇太子殿下の同窓生となれる誉れをいただきましたのに怒りなど…」


「ごめんて、ユウキと行きたかったんだ仕方ないじゃないか。」


「…」


「…」


まったくさぁ、何でかコイツは俺と一緒にいたがる。コイツの婚約者も俺と並べたがる。

んで、コイツは自分の顔の良さを知ってか知らずか俺のキレるギリギリで真顔で対面式に謝ってくるから俺は強く出れないんだ。

少し位からかってもバチは当たらないだろ?


「はぁ、まったく、俺なんかのどこがいいのかねぇ?自分で言うのもなんだけど役立たずだぞ?」


「先ずは自分を売り込まないところだろ?俺を否定してくれるところに、あとつくる飯がうまい。ぶれないところに約束を破らないところ、一緒にいて疲れないところet…」


やめろ、イケメンが笑顔でそんな楽しそうにモブ顔を誉めるな恥ずかしくて死ねる。

自分で話し振っておきながら不意打ちに負けた…


「で、タイヨウ。お前マジでなにしに来たの?」


「いや、ユウキの事だから学園生活の準備してないと思って手伝いにきた。」


「準備?あぁ、逃げられないように俺以外のみんなが全部やってくれたみたいでさぁ」


「てかさ、驚きはしたけど実際楽しみではあるんだよね。」


「楽しみ?本当に!?」


「…お前がいるから不安はないしさ、新しいトモダチとか?」


俺の言葉にコイツは嬉しそうな顔をして「俺も楽しみ!」何て抱きついてきやがった。昔っからコイツの距離のつめかたは極端なんだよな…


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