春風に 揺らぎるその葉 懐かしき 言の葉絶えぬ 恋の追想

はるかぜに ゆらぎるそのは なつかしき ことのはたえぬ ついそうのこい


春がもう少しで終わるという時、ふと散歩をしていると風が吹く。

穏やかさがあるあの暖かい風だ。

それを感じ取って、ほとんど緑に染まった桜の木の葉は舞い踊る。

懐かしい……

まるで、本物の桜を見ているようだ。

すると、頭にたくさんの春の思い出が浮かび上がった。

懐かしい……

あの、友人たちが少しうるさく声を交わしながらお花見をしているのだ。

そして、その人たちは少しぼんやりとした空、花曇りを見上げた。


「心と空は、正反対」


あの、何とも言えない湿った気持ちの悪さ。


それが、今頃になって……


だけど、それは感じるだけ、ただの追想の思い出。

もう、繰り返されることのない最初で最後。


____虚しさ、後悔、そんな言葉が頭によぎってきた。

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