第2話

 入学式。

 僕は期待で胸をときめかせ、そしてどうしようもない不安感に苛まれていた。


 もちろん新しい学校で、新しい人間関係。全て上手くいくとは思っていないが、それでも失敗からのスタートをする訳にはいかない。


 仲の良い友達ができるだろうか。

 学校生活についていけるだろうか。

 そしてなにより、僕の入りたい部活はあるだろうか。


 この為だけにこの学校を志望したのに、入学したら「実はありません」とかないよな……。

 一番危惧していたことだった。


 一生に一度の高校生活。絶対にこれだけは外せなかった。

 しかし―――。


「廃部した⁉」


 先生から突然告げられたこと。

 原因は原因不足とのことだった。


 衝撃のあまり、立ち尽くすことしかできなかった。

 さよなら僕の青春……。


一番と言ってもいいほど楽しみにしていたことが、一瞬のうちに崩れ去った。

 こんなに運がない日は今までなかっただろう。

 以前オープンスクールで訪れた際は存在しており、この環境で僕も青春を謳歌するのだろうと思っていた。


 なのに、なぜ……。

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