雨呼ぶ女と雨降らす紫雲
海岸近辺の岩場に生息する軟体動物の一種で危険が迫ると紫色の体液を噴出する。
その紫色の体液が海水に溶け広がる様子が雨雲に似ていることから雨降の名前が付いた。
不可思議なことに日本で朝廷の最高位に当たる官位の着物や最高僧侶の袈裟は紫色だ。
考察を深めよう。
アメフラシは雨を降らせる巫女。
つまり雨乞の儀式を連想させる。
天候に左右される農耕地帯に欠かすことが出来ない雨。其を降らせる役割は神を呼ぶ者とされ神降ろしの役割から龍神への供物、天神の意思を仰ぐ存在は何時の時代も重宝されていた。
オオヒルメノミコト、つまり蛭子を現す旧漢字もまた、天から降り注ぐ恵みの雨に三杯の盃と其を捧げる女から成るものである。
アメフラシは天降らす者。
高天原から中津国へ降り立った天孫降臨の神々に深く根付く言葉として捉えていく。
ニギハヤヒが大和の王にして、神武天皇に帰依する存在ならば雨降は重大な役割を担う言葉で間違いない。
以降は余談となる。
此は完全な臆測に過ぎないが、蛭子の四肢不全を踏まえて考えるならば、雨降が四肢を持たず海中で若布や海藻のみ食べる生物であることが
関わってくる。
海藻もまた神への供物であり、古代神話の要となるからだ。
探れば新たな由縁が見つかるのは確実だろう。
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