痴漢撃退!~女尊男卑の世界にて
天川裕司
痴漢撃退!~女尊男卑の世界にて
タイトル:痴漢撃退!~女尊男卑の世界にて
ト書き〈電車〉
私の名前は松山ヒトミ。今年、27歳になる独身OL。
こう言ってはなんだが、私はけっこうな美人だ。だからかよく痴漢に襲われる。
まぁ実際襲われた事は1度しかないが、襲われかけた事は何度もあった。女特有の悩みである。
でも最近は、ただ襲われるだけじゃなく
ちゃんと撃退する方法も身に付けたのだ。
防犯ブザー、警棒、フラッシュライト、挙句は催涙スプレーに至るまで、
考え得る限りのあらゆるグッズを手に持ち、痴漢に遭った時はそれを使って撃退する。
今日も電車に乗って、私は痴漢に襲われかけたが、その直前に防犯ブザーを見せてやると、
それだけで痴漢さんは逃げていった。けっこう効果があるもの。
ト書き〈防犯カメラ〉
本当にこういう護身用グッズを持ってなかった今までは、
痴漢に遭った時、心の底から苦労した。恐怖と不安の連続しかない。
7丁目の角から曲がった細い路地裏、ここはいつも帰り道に歩いていたのだが、
ここにもよく痴漢が現れる。でも防犯カメラがちゃんとついていて、その点で私は助かった。
最近は電車内でも、特に女性専用車両には防犯カメラが付いており、
それで助けられた事は何度かあった。
本当に怖いのは公衆トイレやエレベーターなどの密室。
そんな時、助けてくれる人は周りにおらず、自力でなんとかしなきゃならない。
実際、エレベーターに乗った時も変な人に会った事はあるが、
その時でも撃退していたその状況をちゃんと第三者に立証することができ、
私の正当防衛と共に犯人は逮捕され、助かった。
ト書き〈オチ〉
そして今、私の部屋の中には、そうしたトラブルに巡り会った時、
自分で自分の身を守ってきた事による私だけの勲章が、
ちゃんと保存される形で残っている。
ヒトミ「この右手、私のスカートをめくろうとしていたのよねぇ」
私はつい勢い余ってしまい、その直後に逮捕されてしまったようだ。
解説〜
彼女はもともとサイコパス。痴漢に遭う場所は全部防犯カメラが設置された場所。
それでまず正当防衛を立証していた。
防犯グッズを携帯していたと言っていたが、それらはみな逆に犯人を殺す為のものに変わっていた。
やり過ぎる形で犯人を撃退し、殺していたのである。
始めの内は確かに撃退する時の快感のみに留まっていたようだが、
それが段々サイコパスに勢いがつく形で痴漢キラーへと変わった様子。
女性特有の権利を全面に出し、痴漢犯罪を逆手にとって、
善良な市民を犯人に仕立て上げる偽装事件も横行する今の世の中。
その究極の状態が、このような善悪の区別を見失った女性のあり方なのだろう。
最後に「逮捕されてしまったようだ」とある事から、自分がした事の罪を認識しておらず、
ただ正当防衛の幻想の下(もと)、自分で作り上げたその妄想の世界で生きている事を立証している。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=UCPUkk20NT4&t=72s
痴漢撃退!~女尊男卑の世界にて 天川裕司 @tenkawayuji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます