第4話
「そう、嵐くんクビ吊ったの」
恋奈ちゃんがさも当然といったふうな顔で
そうつぶやいた。
「そうって、恋奈ちゃん、驚かないの?」
慧が恋奈にたずねた。
「えっ、ううん、もちろん驚いてるわよ」
恋奈が妙に動揺した。
わたしはハッキリこの目で見ていたの。
「まあ、嵐くんにもなにか人に言えない事情が
あったのかもしれないし、仕方がないじゃない」
「恋奈さん、ずいぶん冷たいんだな」
そのとき慧はじめクラス中の男の子たちの
恋奈に対する態度が明らかにガラリと
変わった。
「おい、行こう」
慧がそう言うと、男の子たちも一斉に
恋奈から離れていった。
「恋奈さん、泣いてるの?」
わたしは恋奈さんの涙を見逃さずに
たずねたの。
「ううん、目にゴミがはいっただけ」
恋奈さんが消え入るように自分の席に着いたわ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます