戦国陰陽師 〜自称・安倍晴明の子孫は、第六天魔王のお家の食客になることにしました〜

水城 真以

前章

 平安時代──都を襲う洪水や疫病といった災いは、鬼が起こすものだと信じられていた。その鬼を退治し、人々の暮らしを守っていた存在。


 それが「陰陽師」である。


 陰陽師の言う通りにすれば安心して生活できると信じられ、入浴の日時から出かける時の方角の善し悪し、果ては衣の色までも占いで決めさせるなど、貴族の生活は陰陽師に依存しきったものであった。

 陰陽師は朝廷の殿上人からも頼りにされ、政にも彼らの占いやまじないは欠かせぬものであった。


 しかし、平安の世が終わりを告げ、武士が名乗りを上げると朝廷の力は徐々に翳りを見せ始める。そして戦国の頃には、陰陽師はかの「大陰陽師」の直系を残し、ほとんど姿を消していた。

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