再放送! TSエルフ姫ちゃんねる

ミミ

弟分として兄貴を応援したいけど、今は無理。

※本編2章終了後のお話です。書店特典用に書いたものでしたが、エルフさんが出てこないので取り下げてこちらで公開しました。



「浮気したって本当? 本当なら刺すから正直に答えて」


 帰宅すると、オレっちの彼女の覚悟が完了していた。どのくらい完了しているかというと、格好が白装束なくらい完了していた。オレっち、白装束初めて見た。こんなタイミングで見たくはなかったけど。


「う、ウェイウェイウェイ! 浮気ではないから! 本当に! オレっちが好きなのは、君だけだから!」

「でも、エルフさんって人を口説くどいたんだよね? 死を覚悟の上で」

「し、死は覚悟してないから……」

「つまり、口説きはしたのね?」

「口説いてもいないから!」


 まずい。思ったより事情を知られている。いったい誰から聞いたのか。


「そこまで言うのなら確かめましょう。アーカイブを今から見ます。――逃げませんよね?」

「も、もちろんさ! オレっちは君の彼氏だからな! は、ははは!」


 オレっち、エルフさんに何言っただろ? 大丈夫かな? 愛なんてささやいてないよね? 頼むぞ、昼間のオレっち! 頼むからな!


        ◇◆◇


 それから数時間後。


「きゃー! エルフさん、カッコ可愛いー! 炎太郎なんて倒しちゃえ! あなたもそう思うわよね!?」

「ハイ。おれッチモソウオモイマス」

「だったら、もっと声出して!」

「ガンバレー、えるふサンー」


 オレっちの部屋には、熱心なエルフさんファンがひとり増えていた。

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