父の願い

崖から落ちるなんて……意識を何とか保っていたが、限界だ。妻が大好きな山菜折角取っていたのに、もう何処にも……。眼球を動かして周りを見渡すと、古い祠が見えた。


神様。もしいるなら、死人になっても何でも良い。もう一度息子に、家族に会わせて……


腹の底から、不気味な冷たさが湧いてきた。

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