あと一歩

朝日が、眩しい……でも、すごく嬉しい。住宅街を彷徨いていたが、人気はいない。朝が早いせいだろう。がむしゃらに歩き続けていたら、目の前に救いがあった。僕は、必死に、手を——


「逃げちゃ、ダメだよ」

後ろから、キツく抱きつかれた。

「公衆電話で、助けを呼ぼうとしたの? 残念だったね」

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