あれから会う事もなく3年が立ちました。

尾道小町

第1話

私は、シルビア・ウッドサイド伯爵令嬢です、人生でこれ程、身も心も捧げた御方はおりません知り合ったのは、わたしがボランティアで教会の子供達のお世話をしていたときのことです、そこへユリアス王太子殿下も身分を隠し通われておりました。



3ヶ月程してユリアス様が私を「愛してる」と、告白されて、私達はお付き合いすることになりました。



ですがユリアス様が王太子殿下だとは知りませんでした。




彼とは添い遂げる事はできません、解っていて愛してしまったのです。

彼は隣国の尊い方との御成婚が決まっていて、お会いするのは今日が最後です二度と会いません。



「サヨウナラ」



1年後、彼は盛大な結婚式を挙げられるのです、ある方から打ち明けられました。



隣国のダイアナ王女その人からの告白でした。

「ユリアス様のお子を授かりまして、私達結婚することになりました」



ダイアナ様の言葉が私の心に刃のように突き刺さり、ただ黙ってダイアナ様の話が早く終わるのを待っていました。



「シルビア様、祝福してくださいますね」と、告白されて私は胸がつぶれそうです。



お祝いの言葉は「おめでとうございます」それしか言葉が出てきませんでした。



私も授かっていましたが、この事実は決して知られてはなりません。



子を一人で産んで育てる決心をしました。隣国に住まわれている、お婆様の屋敷に身を寄せ静に暮らしていこうと、この屋敷で穏やかに生きていこうと決心しました。



お婆様の屋敷で暮らして3年、可愛い息子にも恵まれて幸せです、そんなある日、勅命でエメラルド国の宰相様がこられ不安ですが、お会いすることになりました。



「登城してほしい」と言われ息子の事が知れたのかと気に病んでいました。



仮面をした若い男性が突然現れて訊ねられました。

「貴女はユリアス王太子殿下の、お子を産んだと噂されています事実なのですか?」



ユージンを抱き上げ顔は見えないように気を配って答えました。

「私は隣国とは関わりはありません、この子は王太子殿下とは関係ありませんから、お願いですお帰りください」




「貴女は隣国エメラルド国シルビア・ウッドサイド伯爵令嬢ですね?」



なぜ、この方は私の名前や爵位まで、ご存知なのかしら?



「遠路遙々お越しくださり、ありがとうございます、ですが、私はエメラルド国シルビア・ウッドサイド伯爵令嬢ではありません、お帰りください」



少し声が大きくなってしまいました。



「俺が誰か解りませんか?」

そう言いながら仮面を外し顔を、お見せになられて!私の愛する、お方の顔です金髪碧眼の美丈夫、エメラルド国ユリアス王太子殿下でした。



仮面をしていたので顔が、はっきりしないから

雰囲気は似ているなと思っていたが確信は持てなかったのです。


一国の王太子殿下が隣国にわざわざ来る?普通来ませんよ暇人か!?信じられない結婚してるはずだし何しに来たのかしら?









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