ダンジョン農夫のほのぼの日記
ぬいの部屋
第1話 ダンジョン農夫誕生!
世界にダンジョンが現れて早数十年。今や一攫千金を狙えるダンジョン探索者という職業が一般化した。
そんな中ダンジョン内を探索する様子を配信するものが現れ、人々はそれをダンチューバーと呼んだ。ダンチューバーは絶大な人気を博し、なりたい職業ランキングで堂々の1位となった。
「はー!今日もいい野菜が取れたなー!」
僕は一ノ
今日は東京の高校に進学した妹が長期休暇のためこっちに帰ってくる日だ。
「お兄ちゃーん」
「おー!
「えへへーただいま!」
美琴は中3で初めてダンジョンに入ったときにURスキル・神獣使いのジョブを取得し、探索者養成カリキュラムがある東京の高校に特待生として入学した。
現在はソロダンチューバーとして活動しながら学生生活を送っている。
まあ、ちなみに俺もダンジョンに入ったことはあるのだがダンジョンの神であるダンジョンマスターに選ばれなかった男なのでジョブは獲得できなかった。
「もそろそろお昼時だし家に帰ってご飯にするか!」
「うん!じゃあお野菜持っていくの手伝うね!」
「おー!ありがと」
――ピキピキピキ
ガオオーーーー!
「な、なんだ?!」
「お兄ちゃん、亀裂だよ!
しかもドラゴンが出てくるなんて、、、
お兄ちゃんは逃げて!」
(亀裂、、、せっかくこれから美琴とご飯って時に!!
畑も荒らされてたまったもんじゃねぇ!)
「俺も戦う!こいつを一発殴らねーと気が済まねぇよ!
おりゃあーーー!」
俺は持っていた鎌をドラゴンに向かって投げた。しかしただの一般人が投げた鎌の威力は弱くドラゴンはそれが当たったことにも気づいていない。
「くそっ!」
「お兄ちゃんには無理だから下がってて!
サモン・シロ!」
『ワオーーン!』
シロというのは美琴が初めてテイムした神獣、
「シロ、あいつを倒して!」 『ワオン《わかったワン》!』
シロが風を纏わせながら爪で引っ掻いた。
さすがに神獣からの攻撃に無傷とまではいかないドラゴンだったが、まだ幼いシロの攻撃は一撃でドラゴンを倒せるものではなくすぐに回復されてしまった。
そして怒ったドラゴンはブレスを放つ。みんな避けるので精一杯だ。
さらにドラゴンはシロに向かって尻尾で追撃する。
バシン! 『キャン!』
「シロ! そんな、、、」
慌ててシロのもとに駆け寄るがドラゴンは二度目の尻尾攻撃を繰り出そうとしていた。
「美琴!!」 「お兄ちゃん!?」
俺はさっきよりも大きい鎌を持って美琴の前に立ちかばおうとした。
「ポーションは持ってないのか?」
「うん、今切れてて
「そうか、だったら俺が二人を守る!!!」
そして攻撃がくる。
――そのときだった
「やぁーーー!」 ドスン!
死にたくない一心で闇雲に鎌を振ったのだが、それがドラゴンの尻尾を切り落としたのだ。
だ。
「「え?」」
「なんで俺こいつの尻尾を???」
「お兄ちゃん!分からないけどきっと覚醒したんだよ!
とりあえずあいつを倒さないと!」
「そ、そうだな!
早く倒してシロを回復させよう」
(と言ってもこいつ、馬鹿デカいからまずは足だな)
「うおぅ!?」
足を切り落とそうと走り出した時、信じられないスピードが出たのだ。
(これなら!)
「ふんっ」
俺はドラゴンの顔目がけて地面を蹴り、思いっきり鎌を上下に振った。
するとドラゴンは真っ二つに引き裂かれ、息絶えた。
ドラゴンに勝ったのだ。
「よしっ、じゃあ早く陽菜乃ちゃん家に行こう!」
「うんっ」
さっきから話に出てきている陽菜乃ちゃんというのとは
陽菜乃ちゃんは鍛治師として覚醒したので美琴と一緒に東京の高校へ進学していた。
陽菜乃ちゃんのお母さんが錬金術師なので、いつもポーションを頼んでいるのだ。
「美琴ー誠お兄ちゃーん
来たよー」
「「陽菜乃」ちゃん?!」
「亀裂発生の警報聞いて急いでお母さんから預かったポーション持ってきた!」
ダンジョンには魔素というものがあり、人間に空気が必要なのと同じように魔物たちが生きるのに必要なものだ。
亀裂警報はこの魔素を利用し、各地に設置された魔素計測機で急速な魔素の増幅が確認されたりダンジョン庁への通報などにより亀裂の発生を確認した場合に発令されるもので、魔素の量によりE級~A級以上の5段階で警報が発令される。
この警報のおかげで一般市民の逃げ遅れが減り、亀裂による犠牲者も減少傾向にある。
「陽菜乃!
シロが、シロが大変なの!助けて!」
「ほんとだ、酷い傷、、、
でも上級ポーションも持ってきたから大丈夫!
ほら!」
「うぅぅ、シロ。助かって良かったよ~っ」
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「もう落ち着いた?」
「うん!陽菜乃が来てくれてほんとに良かったよ~」
「ほんとだな。陽菜乃ちゃん、ありがとな。」
「べ、別に当然だよ~。
それより、A級以上だって見たから急いできたんだけど収まるの早くない?
シロがこんな傷を負うくらいだからかなり強い魔物が来たんじゃないの?」
「それが、お兄ちゃんが覚醒したみたいなの!」
「えー!!!そうなの?誠お兄ちゃん」
「うん、そうみたいだ」
(たまに火事場の馬鹿力で危険な目にあった時に覚醒した人がいるとは聞いていたがまさか自分がそうなるとはなぁ)
「亀裂からはドラゴンが出てきたんだけど、鎌で真っ二つだよ!
すごくない!?」
「真っ二つ??誠お兄ちゃんすごいじゃん!
でもドラゴンならシロがああなるのは無理もないね。
それで、何の職業に覚醒できたの??」
「え?それはー」
「「それは??」」
「ダンジョン農夫 みたいだ」
「「ダ、ダンジョン農夫??」」
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ご覧いただきありがとうございます。
初めて小説を書いたので至らない点もあるかと思いますが、楽しんで頂けたら幸いです。
小説の方向性やタイトルが途中で変更になるかもしれません。
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