『寿命庁』

やましん(テンパー)

『寿命庁』


 『これは、フィクションです。悪意はありません。』




 寿命庁は、国民の寿命を管理する役所です。


 残留人生省の外局です。


 居住地各地には、寿命事務所が置かれています。



やましーん


 『あら、手紙だ。げっ。寿命事務所。つ、ついに、来たかあ。』



自動読み上げ手紙


 『やましーんさん。あなたは、くびれす。期日は、今月末。執行は、寝ている間に行われますから、苦しくなんかないさ。関係機関には、当局から通知いたします。退職金は、指定の方または、指定先に支払われます。では、よい終末を。


 なお、この通知書を、居住地売店に提示すると、以後の食費は無料になります。月末までの公共料金は、無料になります。万が一、病気などの場合は、お知らせください。』



    二日後



診療所 医師


 『あなたは、がんれす。でも、手術すれば、まだ、助かります。』



やましーん


 『あ、これは、どうなりましか?』



医師


 『ああ。もちろん、執行停止になりますよ。診断書を書きましょう。』


 

やましーん


 『なんとも、奇妙キテレツな世の中になったものだなあ。』



 やましーんは、しばらくは、生き残ることになったのでした。


 とはいえ、居住地の回りは、一面焼け野原で、有害な大気に満ち満ちていて、その居住地区あたりだけが、なんとか生存可能だったのでした。


 だから、どっちにしても、まあ、そう変わらない、というあたりなのでありました。


 生き残りの地球人は、1000万人くらいです。



  🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇


 



 

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『寿命庁』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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