音楽紹介「OGRE YOU ASSHOLE」


 思いつきで好きなバンドを紹介する回を始めました。


 二回目は日本のバンド「OGRE YOU ASSHOLE」です。

 ゆらゆら帝国の後期など落ち着いた音楽を聴きたい!という方には丁度いいと思います。


 彼らを一言で表すと「無機質」になると思います。

 淡々と語られるボーカル、ループされるギターのフレーズ、安定したビートを刻み続けるドラマとベースなど彼らが作り出す曲には感情がないんです。

 

 アルバムもけっこう出していて、初期はいわゆるオルタナティブロックなんですが、2010年を過ぎた辺りから少しずつサイケデリックへと変化していきます。

 ミニマムで集中できるので、勉強や作業にも向いていると思います。


 私は2014年に出されたアルバム「ペーパークラフト」に収録されている「他人の夢」という曲がかなり好きですね。


 その曲中では、「あぁここは、他人の夢の中」という歌詞が淡々と続く繰り返しのビートの中で歌われるのです。

 そして浮遊感のあるギターと、間に挟まれるサックスのフレーズが哀愁感を漂わせます。


 他にも、「workshop」というライブ音源が収録されたアルバムが三作出されているのですが、どれも素晴らしいです。

 「ワイパー」「簡単な自由」「見えないルール」辺りが好きです。


 何年か前に一度、生で彼らのライブを見たことがあるのですが、そこで聴いた「フラッグ」がとても素晴らしかったことを覚えています。


 また、昨年出された「家の外」という四曲入りのepがあるのですが、すごく実験的で面白いんです。


 「待ち時間」「家の外」「ただ立ってる」「長い間」というそれぞれの曲が起承転結になっていて、ただひたすら何かが到来する瞬間を待っている時間が歌われています。

「ただ立っている」には、エイリアンに見つかった瞬間の(くるのか、来ないのか……?)みたいな不穏さがあり、曲の背後にディストピアSF的な不安感が常に漂っています。

 時間も短いので、電子音楽が好きな方はぜひ聴いてみてください。

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