第2話 初めての案件

入社初日から、徹は早速実務に取り組むことになった。彼が担当することになったのは、中小企業の決算書の作成だった。山田が指導役として付き添い、細かく指導してくれる。


「まずは、この資料を基に仕訳をしていくんだ。分からないところは何でも聞いてくれ。」


山田の指導の下、徹は一つ一つの仕訳を丁寧に進めていった。大学で学んだ知識を実際の業務に活かすのは初めてで、戸惑うことも多かったが、山田の助言が心強かった。


「ここでミスしないように、しっかり確認するんだ。焦らずに丁寧にやれば、必ずできる。」


山田の言葉に励まされながら、徹は集中して作業を進めていった。


一日の業務が終わる頃、山田が徹に声をかけた。


「高橋君、今日はよく頑張ったね。明日もこの調子で行こう。」


「ありがとうございます、山田さん。まだまだ分からないことばかりですが、頑張ります。」


「何かあったら、いつでも相談してくれ。会計士の仕事はチームワークが大事だからね。」


山田の温かい言葉に、徹は感謝の気持ちでいっぱいになった。会計士の仕事は一人ではなく、チームで協力し合うことで成り立っていることを改めて実感したのだった。


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