7月に45歳になるんですが……

羽弦トリス

第1話息子の優しさ

あれは、まだ、僕がガブガブ瓶ビールを飲んでる頃の話し。

多分、今年の2月。

家族で焼肉屋に行く。これは、定期的に家族で楽しもうと、8年前から続く家族行事。

嫁さんは生ビール派。

僕はしょっぱなから、赤星。

1時間半の滞在で、瓶ビール4本飲む。

僕は焼き肉は、ホルモン専門。ミノが大好き。

センマイ刺しを食べながらのビールは格別。

僕は服にタレをよく落とすので、紙エプロンをしながら食べる。

息子は、カルビや肩ロースなど食べる。飲み物は決まってコーラ。

コブクロを食べさせたが、皿に戻した。

まだ、子供にはホルモンは早いのか?

店を出る時はそんなに酔ったつもりは無いが、ふらつく。

それを見ていた息子は僕の肩を取り、

「パパ、しっかりしろよ!」

「ビール最高!お前も、成人したらパパと同じ様にビールのとりこになるんだ」

息子は中学生で171cm。僕より3cm低い。高校生になったら、追い抜かれるだろう。

この背の高さで、声変わりした低い声で、僕の事を「パパ」と呼ぶ。

だが、友達の前では、「お父さん」か「親父」。


いい歳こいたオッサンが、子供の肩を借りるとは。

嫁さんからは、嫌われているが、子供には絶大なる人気を誇る。

「パパ〜、しみけん知ってる?」

と、突然質問してくる。

「馬鹿野郎、AV男優じゃねぇか!」

「友達が、LINEで送って来るんだ。この前、ママに見つかってめちゃくちゃ怒られた!」

「なんて?」

「お前には、まだ早い!だって」

「ま、お前はチェリーだからな。勉強しろ」

「チェリーって何?」

「DTよ!童貞って事」

「なんだ、童貞か〜」

「ま、パパも童貞なんだがな」

「パパ、じゃ僕はどうやって産まれたんだよ!このテキトー人間がっ!」

こうして、非建設的な会話をしている。

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