第2話 出発
ちいも宿屋に泊まり、次の日になった。
キューはこのピエール王国の王子だったが、王様に断り、神の国へ旅立つ事を許された。
ジルも用意をし、ちいもサリーに荷物を用意してもらった。
「コング、用意がみんなできたよ」ジルが言った。
「よし、俺も用意が出来た。行こうか」コングが言った。
「ところで、神の国にはどうやって行くのだい?」キューが聞いた。
「うむ。10キロ歩いた森の中に、神の国へ連れていってくれるドラゴンが現れる場所があるらしいんだ」とコング。
「ジーズの森か?」ジルが言った。
「うむ。方角的にジーズの森だな」
「キジュの森に繋がっている死の森だよ。迷って戻って来られなくなると言うよ。大丈夫?」
キューが不安そうに言った。
「そんな所にちいを連れて行くわけには・・」とジル。
「大丈夫だ。西の魔女から魔法の聖水を預かっている。この聖水をかけると、姿が見えなくなるそうだ」
コングは緑色の霧吹きを出した。
「これで、姿が見えなくなる・・」キューは不安そうだ。
「そういえば、どこで神の国の生き方を知ったんだ?」ジルが聞いた。
「この前、砂漠の土地にあるピラミッドの中を探索している時に、偶然石版を見つけんだ。現地のガイドに翻訳してさせると、神の国の生き方が書かれている事が分かったんだ。しかし、その石版の翻訳が終わると、地震が起き、ピラミッドは崩れてしまったんだ。命からがら逃げたが」とコング。
「ちいは、サリーとここに残ったほうが良いんじゃないか?危ない旅だぞ」とジル。
「そうだよ。危ないよ。ちいたん」とキュー。
「でも・・1年もここにいるのは・・みんなが心配だし・・」
「俺達がちいを守ろう!」とコング。
「そうか。良し。4人で行くか」とジル。
「本当に姿が消えているか、サリーに見てもらおうよ」とキュー。
「うむ。それでは、俺とキュー、ちい、ジルに聖水を振りかける。サリー。見ておいてくれ」
「分かったわ」とサリー。
「それでは、サリー。この容器に入った聖水を皆に振りかけてくれ。
コングは聖水をサリーに渡した。
サリーは4人に頭のてっぺんから足元まで振りかけた。
「どうだ。消えているか?」とコング。
「う~ん。消えてないけど・・あ!少し変化してきたわ」
「我々には皆が普通に見える。消えている者どうしは見えているか」とジル。
「完全に消えたわ!大丈夫よ」
「良し。マスターブレードを持ってと」とコング。
「待って。なぜか、剣と弓矢の武器は消えてないわ」
「魔力がありすぎるのかも。この武器」とジル。
「うむ。仕方ない。剣と弓矢はケースにしまっていくか」
「行くよ。大丈夫?ちいたん」
「頑張るわ!」
「良し。行くぞ!後は頼む。サリー」とコング。
「分かったわ。気をつけてね」
4人は出発した。神の国を目指し迷って帰れなくなる事があるジーズの森の奥へ。
「こ、怖くなんかないよ!ちいたん」キューは不安そうに言った。
「うん。4人で離れないで行こうね」
「10キロほど歩く。少しキツイぞ」とコングが言った。
良く晴れていた。少し蒸し暑かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます