『あけおめ!お年玉の記念告知いくぞー!』

秋華からすれば、Yo!Tubeだけではなくニマニマ動画でも―――そして現実でもよく聞いた、第二次世界大戦当時の大日本帝国のナレーターのような声のアナウンスを朝起きて聞いていると、夢で聞いたような天皇陛下の御言葉をテレビが頂戴した。


いつものような陛下であらせられるが、見ている臣民一同はいつもよりも足取りがしっかりなされているような錯覚を覚えた。なぜ、と言う質問はしないまでも、臣民が心の中でそう思ったことに変わりはないのだ。


この世界では日本で南進論はなく、ただの対中華戦争なだけ。さらに軍部の暴走も控えめで、中華民国が喧嘩を打ってきたと言うのが今回の世界線。より詳しく言うと、満洲事変自体はあったものの、中華側の責任とされて満洲国建国が大っぴらに認められた世界線。


尚且つ日中戦争では日本側が満洲事変を事由として日中戦争を始めたのでほぼ全世界(全体主義国家除く)と戦っているが、なんだかんだ言って満洲国の資源のおかげで全世界と互角以上に戦闘をしていたりする。挙句の果てには大日本帝国が中華民国を併合して、大日本帝国領土はその後敗戦という名の相当有利な降伏を行って、本国領土として以下のものがある。


・本国領土の4州(北海道、本州、四国、九州)及び周辺島(小笠原諸島除く。千島列島は全て日本)

・樺太全土(ソ連には600万ルーブルの支払い)

・カムチャツカ半島及びアラスカ及びアリューシャン列島(ソ連には1200万ルーブル、アメリカには4500万ドル支払い)

・旧中華民国全土及び満洲国及び周辺諸島(中華民国は大日本帝国が中華民国に十六億円、現在価値約八十億円で売却した台湾に移譲、満洲国は旧中華民国と合併されて大日本帝国中華県として溥儀さんが初代県長を務めた。溥儀の一家が代々県長を務めるというふうに憲法で保護する、と天皇陛下も仰られましたし。)


史実の大東亞共榮圈(大東亜共栄圏)地域に比べると南アジアやら東南アジアが含まれていないが、そのあとは独立して大日本帝国を中心とする『大東亞共榮圈』を形成するから皮肉なものである。それほどに欧米支配が酷かったのか。


まあ、少なくとも現実のそれよりはマシなのかも知れない。南進論で石油燃やしたり、艦船が落とされて海に大量に石油ばら撒かれて海面汚染が酷い訳でもないし。少なくとも環境面で言えば現実よりはマシな世界線だと言えるだろう。


...その代わり、今も軍は大艦巨砲主義の形として半径1330mm、直径にして2660mmもの超大口径を持つ電磁加速式砲弾射出兵器―――通称にして俗称『レールガン』を開発しているそうだが。なお運用には通常排水量18万トン戦艦クラスが必要とも言われている。そしてそれでも転覆する可能性が高いとまで言われる始末。つまり開発するだけ無駄。弾保管できないし。使用なら列車砲でならワンチャンあるかも。そのくらい。弾一発だけで400tとか馬鹿げてる。でも飛んだら絶対やばい。海にあたったらリアルモーセできる。なお大津波も副産物としてできる。



「―――うぇぇ...。また?」

秋華は、なんだかんだで八日ぶりに呼び出された神祇座にて嫌そうな顔をしていた。そこに書かれていたのは、『あけおめ!新人さんを迎えるぞー!』と書かれた台本らしきもの。年の瀬だけは寝ていて配信していないとは言え、30―――つまり一昨日深夜から昨日昼の間には13時間もの超長時間配信を行って、今も尚軽い寝不足なのだ。自業自得と言われればそれまでであるが。


「―――何か不満か?」

威厳たっぷりに、しかしどこか不機嫌そうに言ったのはお馴染み桜華だ。章のせいで作者的にも苦労人描写しか感じ取れなくなったイマジナリーヤクザそのものな彼は、まあ運営としてはあまりよろしくない。秋華はそう思っていた。


「...だってさ?新人を迎えるって情報先に出したら面白み減るじゃん。それだったら、新人発表をお年玉に見立てて、お年玉の記念告知行くぞ、みたいな感じで興味を引くようなサムネの分考えなきゃ」


軽く膨れっ面になって言った秋華に目をやった桜華は―――まあ、例の如く後ろを向いた。神刀が祀られている神棚の中にある砥石で刀を研いでいた章は、いつもは着ないような黒地の袴を着ていて、神賜佐々木に伝わる家紋『併せ番鳥菊三紋扇交わし若竹』などというとんでもなく組み合わせられた新造の家紋があしらわれた着物は一部焦げたように欠損している場所もあったが、着ている章の顔を見るとそれも一種の味となっていた。


「―――たしかに、今のでは人は集まらんの。ついでに言えば、公式チャンネルとかいうので配信するのはどうじゃ?その内人が多くなった時に、いつまでも秋華のチャンネルで配信するのは...なんか違くないかの?」

「あー、たし蟹」


と言うことで、配信は公式チャンネルですることとなった。なおサムネイルなどと言うものは存在せず。ただの黒バックに白字で『新年感謝』と大きく書いてあるだけの。


しかしそんなクソみたいなサムネでも見てくれる人は見てくれるようで、7時からの配信で残り20分ほどあるにも関わらず同接数はすでに三百人と、普段よりも少し多い。お正月パワーである。


『お年玉プリーズ』

『↑おっさんにあげるお年玉はネーヨ』

『↑お年玉って書いてあるからわかるだろカス』

「民度わっるぅ...。」

だが、大抵眷属だからこんなもんだろう。一種の馴れ合いだと秋華は無理やり納得した。


やがて、約束の時間が訪れる。なお配信開始までの準備画面などないのでそのまま切り替わる。

「皆様、

「「「「「「「「「「「「「あけましておめでとう(ございます)。今年もよろしく(お願いします)」」」」」」」」」」」」」

『うるせぇぇぇぇw』

『13重唱やめろw』

『↑何で数えれてんだよ...』


推定96dbが、視聴者とアクター十三名にそれぞれ降りかかる。今回は全員顔出し形式で、ホロスト九人と外付け良心二人、桜華と秋華の十三人。


外見はホロストが冴えないおっさん三名とThe Wotakuが四名、イケメン(比較的)一人に女一人。外付け良心はスーツを着こなしたダンディーなお爺ちゃんと、インテリヤクザみたいな雰囲気があるイケメン。


そして、スキンヘッドにグラサンをかけて、白い手袋をつけて脇差を差し、袴姿の個性爆発ヤクザと、最後に白髪でぽやぽやーとした印象を受けるなんだか見ているこちらまで眠くなってくるようなあくびをしている少女。視聴者のラヴィには、まあすぐにシュウカが誰かわかったようだが。


―――


どうも。クソ作者です。今回は意外と筆(指)が進みました。まぁた大日本帝国とか言っているよ...と思ったそこのあなた!そう、そこのあなたです!ブラバしないでくださいお願いしますなんでもしません


クソコラはさておき、今回ようやく回収できました配信タイトル。1330mmレールガンとか、私の別小説から引っ張り出した設定ですが...まあ、このあと天皇陛下がミレニアムを築くので問題h―――いえ、なんでもないです。あなたたちは何も見てません。ね?


――――――ね?(圧


―――コホン。それで次回の配信(投稿)は、今回の続きですね。眠そうにおめめ擦ってる秋華はどんなふうに映っているのか、作者のイメージではオーバーロードの第三帝国MADにいた、えーと、確か『ゲルマニア=アウグステ』って言ったかな?その子のイメージです。


その頭から鉄十字を外して、目は碧眼にして、耳を生やしてください。フブ様ですね。―――冗談です。どうせ目は見えないので白いショートの娘が目閉じてあくびしているのを思い浮かべてください。その子が多分秋華です。


今回はこの辺にしまして、もしかしたら中学校生活最後の夏休み中に書くかも?なSF戦記を待っててください。Los!Los!Los!も聞いてみて意外とよかったな...(^・ω・^§)ノ


追記:一度下書きに戻してしまった…。

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