運命?
@salt_amfj
好きとは
−私にはしばらく恋人が居ない。
正確に言うと、好きな人が出来ていない。
小中学生の頃は比較的恋愛体質で簡単に人のことを好きになっていた。頭が良いだとか、足が速いとか、そんなシンプルな理由で好きになっていた。好きと言われれば好きになり、付き合って、すぐに別れる、そんなおままごとのような恋愛だった。すぐに別れてしまう私を形容する言葉は「男好き」、噂が好きな思春期の女子たちからはそう揶揄されていた。でも、間違っていないと思う。家にも居場所がない私は、どこか自分の依存先を追い求めていたように感じる。私のことを認めてくれて、私のことを好きだ、と言ってくれる。私の承認欲求はそれだけで十分満たされていた。
そんな私も高校生になった。高校生になると恋愛のランクがひとつ上がるような気がする。それは性的なことが求められるようになるからだ。シンプルで純粋な好きだけではやっていけなくなるだろう。そう思うと、なんだか少し怖くなった。突然恋愛をするのが億劫になったのだ。中学生の頃「男好き」と形容されていた私の姿は跡形もなく消え去っていた。それよりも、自分で自分を守ることに精一杯だった。誰かに依存しているようでは生きていけない、そう気が付いたのだ。高校3年間は恋愛のrの字も見当たらなかった。
順当に高校生活を終え、大学に進学した。大学では彼氏を作るぞ!と意気込んだものの私の理想とする人は居ないことに気がついた。高校を卒業してすぐサケとタバコ、ウワキが纏わりつくようになった。ウワキをして恋人を裏切るのが当たり前、裏切ることができるほどの薄っぺらい愛に嫌気がさした。
私はやはり、精神的な繋がりを重要視していた。ただその人のことが好きで、大切で、心がつながっている、そんな純粋な好きをずっと追い求めていた。私がそう思える相手はこの世に存在するのか?出会えるのか?好きになってくれるのか?付き合えるのか?沢山の不安を抱えて、小さな希望を持って、今も生きている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます