第40話 オッサン齢53歳にしてマンチキンになる。

「なぁ、あのおばさんいる間、お前気配消してたよな?

 あんな事になる前にもう少しなんとかしてくれても良かったんじゃないか?」


「今回のミッションですが短期間で2億も稼がないといけないので出来ることが限られます」

 笹かまが急にビジネス口調になった。


「ここって仮にもお前が最高責任者だろ?他の支部のあんなワガママ許して良いのか?」


「いくつか方法を考えたんのですが、現実的に可能な方法を模索しないといけません」


「なぁ、今回の2億って全部お前が払うでよくないか?なーんもしてくれなかったんだし」


「しゃーないじゃ無いっすか!あっちは権力の中枢っすよ!俺みたいな末端と違うんすよ!政財界にもコネあるし!コネで偉くなるって事はそれだけデカいコネがあるって事っすよ!んなもん俺がどうにか出来るわけ無いじゃないっすか!」

 あ、元に戻った。


「で、なんか方法あるのか?」


「うーんワンチャンなんすけど、剣崎さんのボスのレアドロップ狙いをもっと下の階で試せばいけるかなって」


「ワンチャン過ぎないか?ドロップ率12%だぞ?」


「それなんすけど、借金奴隷使おうかなって思うんすよ」


「借金奴隷?」


「稼げなくて協会に強制執行されたパーソナルクラスの人っすね、協会からの依頼や報酬内容とか一切文句言えないんで、うちらの間じゃ借金奴隷って呼ばれてるんす」


「おいおいおい!そんな扱いに千紗もされるっていうのか?」


「払えば良いんすよ、払えば」


「まぁ、そうだけど」


「で、21人集めれば確実に出るんで、それを下層でやればいけると思うんす」


「ん?それだと笹かまも入らないと25人にならないけど」


「もちろん俺も手伝うっすよ、あのオバさん止めるのは無理っすけど、手伝うのがダメって言われてないし」


「それはありがたい!しかし、そんなに人数集めて報酬はどうするんだ?」


「報酬はレベル上げっす、あいつらパーティにも恵まれなくて、スキルもハズレでレベル上げられないから稼げないっすけど、どんなダメスキルでもレベルさえ上がればなんとかなるっすからね、多分応募殺到するっすよ」


「バンシーどうするんだ?」


「一応追加のアイテム申請してるんすけど、あの人邪魔してくると思うんすよねぇ」


「じゃあ、今あるやつでこまめに移動してもらうしかないのかぁ」


「ハイ!私なんとか出来ると思うよ!」

 魅夢が元気よく手を上げた。


「魅了でなんとか出来そう?」


「うん!大丈夫だと思う!」


「よし、実際出来るか、後でバンシーに行ってみよう!」


「うん!」


「ちょっと現時点のステータス確認するっすよ」


 剣崎鉄也 レベル33

 クラス 堪忍者

 クラス解説 ▽


 強さ 36 物理的攻撃力

 器用 37 命中率

 素早さ 22 回避率、移動速度

 知性  26 魔法的攻撃力

 耐久力158 物理防御

 賢さ 75 魔法防御

 HP 1580

 MP 750

 パーソナルスキル 堪忍

         HP50%以下の時に発動、戦闘中敵に攻撃が命中した時にHPを16回復


         ならぬが堪忍するが堪忍

         堪忍出来ない敵を堪忍して仲間にする


         堪忍袋

         緒が切れると、怒りが爆発する


 盾術 ブロック 相手の攻撃を受け止める

   シールドバッシュ 盾で相手を攻撃する


 挑発術 ウォークライ 叫び声で相手を挑発する


 鑑定


 能力上昇値 5レベル毎 強さ5 器用5 素早さ3 知性4 耐久力23 賢さ10



 逢真千紗 レベル33

 クラス 鏢師

 クラス解説 ▽


 強さ 56 物理的攻撃力

器用 56 命中率

素早さ 56 回避率、移動速度

知性  56 魔法的攻撃力

耐久力 56 物理防御

賢さ 56 魔法防御

HP 560

MP 560


 パーソナルスキル 鏢車

         自身の強さの100倍の重さまで収納可能。

         

         武芸百般

         全ての攻撃技の修正値を2倍にする


         天網恢々

         疎にして漏らさない


 槍術 連突き 攻撃力を40%減算して2回攻撃する

   一点穿孔 会心率を50%上げ、会心ダメージを50%上げる

   捻刺   ダメージを40%上げる、相手の防御力を20%下げる、近接のみ

 投擲術 連投  攻撃力を40%減算して2回攻撃する

    正鵠撃 会心率を40%上げ、会心ダメージを40%上げ、命中率を20%上げる

    影撃  攻撃力を50%下げた1本目と攻撃力を50%上げ、命中率を20%上げた2本目を同時に放つ

 投槍術 遠投  通常の1.5倍の距離まで射程を伸ばす

    剛投  通販の1.5倍のダメージになり、命中率が30%下がる

 魔投槍術 ブリッツジャベリン(MP2)

     バレルジャベリン(MP3)

     ボールジャベリン(MP5)

     スピアジャベリン(MP10)


 隠密術 気配消し 気配を消せる

    隠密移動 隠密に移動する


 気配察知


 立体機動


 初級魔法 ▽


 中級魔法


 火魔法 ファイアーストーム 複数に敵に火の嵐を叩きつける(MP10)


 水魔法 ウォーターストーム 複数に敵に水の嵐を叩きつける(MP10)


 土魔法 ロックストーム 複数に敵に岩の嵐を叩きつける(MP10)


 風魔法 ウィンドストーム 複数に敵に風の嵐を叩きつける(MP10)


 光魔法 ライトストーム 複数に敵に光の嵐を叩きつける(MP10)


 闇魔法 シャドウストーム 複数に敵に影の嵐を叩きつける(MP10)


 聖魔法 ホーリーストーム 複数に敵に聖なる嵐を叩きつける(MP10)


 混合魔法


 雷魔法 サンダーブリッツ 雷の礫を飛ばす(MP2)


 氷魔法 アイスブリッツ  氷の礫を飛ばす(MP2)


「相変わらず、逢真さんのスキルの習得凄いっすね。

 じゃあ、参加者の募集と装備の手配するっすね!

 作戦開始は3日後からで行くっす」


「ああ、よろしく頼む!」


 落ち込んでいる千紗に、絶対あのババァ見返してやろうなッて声をかけて、英気を養うということで、作戦開始まで休養する事にした。


 ー3日後ー


「なんか、いつもと違いすぎて引くな」


「本当ですね」

 千紗もいつもと違う雰囲気に飲まれている。


 21人のメンバーはほとんどが若い男性だった。

 若い女性が4人と、俺よりは若い中年の男性が2人、後は20代前半か10代の男性だった。


 女性は手を差し伸べる探索者に助けられることが多く、中年以降は効果が分かってる安定したクラスを選ぶので、こういう構成になるそうだ。


 確かに俺もこのダンジョン見つけなければ、無難なクラス選んでたもんな。


「はーい、集まった人はこの装備付けるっすよー!

 じゃあ、剣崎さん先頭よろしくっすー、途中で勝手な行動したらダメっすよー」


 当たり前だけど、ダンジョンの移動は順調だった。


 前回通った時より大幅にレベルアップしてるんだから当たり前なんだが、何もなさすぎて逆に心配になる。


 そしてあっという間にバンシーの所までやってきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る