第27話 オッサン齢53歳にしてクエスト受注する。

今日はいつもより早めにダンジョンに向かう。


今日中にレベルを上げてクエストを受注してしまわないとならない。


「あれ?あいつまだ来てないよ」


「ちょっと早すぎましたかね?」


小一時間待っていると、やっと笹かまがやってきた。


「おはようっす、早いっすね」


「笹かまっていつもこれくらいに来るの?」


「いやぁ、いつもはもっと早いんすけど、クエスト依頼の書類上司がメールじゃダメだとか言い出して、直接渡しに北海道支部まで行ってきたんすよ」


「それは大変だったね」


「メールダメってのは、デジタル難民の妖怪アナログジジィなんで諦めたんすけど、ファックスでもダメとか抜かしやがって、マジシネって感じっすよ!

マジ老害のせいで、朝早くからハンコ1個押してもらうためだけに行ってきたっす!

老害は老害らしく、大人しく老害してろって感じっすわ!」


笹かまがこんなにキレてるの初めて見た。


「どうどうどう、落ち着け、アナログ至上主義、紙こそ至高みたいな奴はどこにでもいるから、しょうがない」


「まぁ、そうなんすけどね、帰りしなに残業とガソリン代は出さないとか念押しくさって、誰も請求しねぇって!クソが!」


「気持ち切り替えて、ダンジョン行こう!な?クソ上司の事考える時間が勿体無いよ」

俺も色々仕事を転々としてきて、ダメな職場には必ずダメな上司がいて、それに気づかない怠慢な奴が更に上に居るという構造がどこでもあった。


現場で人員不足とか言ってる会社は大体、現場責任者が無能で、管理者が怠惰だ。


そんな話を笹かまにもして、気持ちを落ち着かせながらダンジョンを移動していく。


17階も16階とそれほど変わらない風景だ。


「あ、そうだ!これ渡すの忘れてたっす」

そう言って自分の袋からペンダントと指輪とポーションを寄越した。


「これは?」


「今回の貸与品の毒耐性上げる指輪と、アンデットの攻撃に対抗するペンダントっす、あと念の為の毒ポーション、ムカついたんで倉庫にあった使えそうなものみんな持ってきたっす」


「みんな?倉庫の全部?」


「全部っす」


「え?大丈夫なの?」


「知らないっす、正規の手続きしてきたんで、何か問題起きたら許可出したクソ上司のせいっす。

たいして書類も見ないでハンコ押すのが悪いっす」


「お、おう」

微妙にクソ上司に同情するな。


笹かま敵に回したら、ダメなやつだろうに。


見た感じチャラチャラしてて、あんまり考えてなさそうだけど、抜け目ないし、実力もその場の判断力もある、ついでに会社クビになってもやっていけるって考えてそうだし。


折角の有効アイテムなんで活用させてもらうけど。


そしてそのまま20階までどんどん進んでいった。


道中は、やはり全部ゾンビで上から犬、猿、キジ‥じゃなくて鳥、そして20階は落武者みたいなゾンビだった。


桃太郎が鬼に負けてたらこうなってたかもねって感じだ。


ボス桃太郎だが、所持スキルは眷属召喚で犬、猿、鳥、のゾンビを呼び出す。


これ見たら確かに桃太郎っぽいな。


ただ、明確に火属性が弱点なんで、千紗のバレルジャベリが刺さりまくって、あっさり勝ってしまった。


「なんか、あっけないね」


「こんなもんす、サクッと次行くっすよ」


途中のプレートで1階戻ってきたらところで、受付で小休憩となった。


ちょうどいいので、ここでステータスの確認もする。



剣崎鉄也 レベル18

クラス 堪忍者

クラス解説 ▽


強さ 21 物理的攻撃力

器用 22 命中率

素早さ 13 回避率、移動速度

知性  14 魔法的攻撃力

耐久力89 物理防御

賢さ 45 魔法防御

HP 890

MP 450

パーソナルスキル 堪忍

         HP50%以下の時に発動、戦闘中敵に攻撃した時にHPを4回復


         ならぬが堪忍するが堪忍

         堪忍出来ない敵を堪忍して仲間にする


盾術 ブロック 相手の攻撃を受け止める

   シールドバッシュ 盾で相手を攻撃する


挑発術 ウォークライ 叫び声で相手を挑発する


鑑定


能力上昇値 5レベル毎 強さ5 器用5 素早さ3 知性4 耐久力23 賢さ10



逢真千紗 レベル15

クラス 鏢師

クラス解説 ▽


強さ 32 物理的攻撃力

器用 32 命中率

素早さ 32 回避率、移動速度

知性  32 魔法的攻撃力

耐久力 32 物理防御

賢さ 32 魔法防御

HP 320

MP 320

パーソナルスキル 鏢車

         自身の強さの100倍の重さまで収納可能。

         

         武芸百般

         全ての攻撃技の修正値を2倍にする


槍術 連突き 攻撃力を40%減算して2回攻撃する

   一点穿孔 会心率を50%上げ、会心ダメージを50%上げる

   捻刺   ダメージを40%上げる、相手の防御力を20%下げる、近接のみ

投擲術 連投  攻撃力を40%減算して2回攻撃する

    正鵠撃 会心率を40%上げ、会心ダメージを40%上げ、命中率を20%上げる

    影撃  攻撃力を50%下げた1本目と攻撃力を50%上げ、命中率を20%上げた2本目を同時に放つ

投槍術 遠投  通常の1.5倍の距離まで射程を伸ばす

    剛投  通販の1.5倍のダメージになり、命中率が30%下がる

魔投槍術 ブリッツジャベリン(MP2)

     バレルジャベリン(MP3)


隠密術 気配消し 気配を消せる

    隠密移動 隠密に移動する


気配察知


火魔法 バーン 使用者が火傷する(MP1)

    ティンダー 着火する(MP1)

    ファイアーブリッツ 火の礫を飛ばす(MP1)

    ファイアーバレル  火の弾丸を飛ばす(MP2)

    ファイアースプレッド 火の礫を拡散して飛ばす(MP2)

水魔法 ティアドロップ 水を指先から一滴だけ出す(MP1)

    ウォータードロップ 水を作り出す(MP1)

    ウォーターブリッツ 水の礫を飛ばす(MP1)

    ウォーターバレル  水の弾丸を飛ばす(MP2)

    ウォータースプレッド 水の礫を拡散して飛ばす(MP2)

土魔法 グレイン 砂つぶを1粒飛ばせる(MP1)

    ブロック レンガ上のブロックを作り出す(MP1)

    ロックブリッツ 土の礫を飛ばす(MP1)

    ロックバレル  土の弾丸を飛ばす(MP2)

    ロックスプレッド 土の粒を拡散して飛ばす(MP2)

風魔法 カーム 風が少し弱まる(MP1)

    ブリーズ そよ風を起こす(MP1)

    ウィンドブリッツ 風の礫を飛ばす(MP1)

    ウィンドバレル  風の弾丸を飛ばす(MP2)

    ウィンドスプレッド 風の礫を拡散して飛ばす(MP2)

光魔法 ティンクル 指先が点滅する(MP1)

    トーチ   小さな光源を作り出す(MP1)

    ライトブリッツ 光の礫を飛ばす(MP1)

    ライトバレル  光の弾丸を飛ばす(MP2)

    ライトスプレッド 光の礫を拡散して飛ばす(MP2)

闇魔法 ディム 薄暗くなる(MP1)

    シャドウ 影を作り出す(MP1)

    シャドウブリッツ 影の礫を飛ばす(MP1)

    シャドウバレル  影の弾丸を飛ばす(MP2)

    シャドウスプレッド 影の礫を拡散して飛ばす(MP2)

聖魔法 リフレッシュ 気持ちが晴れやかになる(MP1)

    フィルター  水を濾過する(MP1)

    リトルヒール 小回復(MP1)

    サニティ 正気にする(MP2)

能力上昇値 5レベル毎 強さ8 器用8 素早さ8 知性8 耐久力8 賢さ8


ずっと魔法ばかり使っていたので、千紗の魔法のスキルの伸びが凄い。


笹かまいわく、普通はこんなに伸びないらしい。


特に属性相性が存在するので、全部が平均的に伸びるのはかなり異例な事だそうだ。


そして、俺の方はまた回復が増えた。


HPの伸びが突出しているので、今の所影響ないが、ジワジワと終わりが迫ってくるような、嫌な感触がある。


何か対策ないだろうか…。


「どうしたんですか?」

俺の態度に心配して、千紗が話しかけてくれた。


「あ、いや、また回復がね…」


「あれですよ、どうしても対策見つからなかったら、私がフレンドリーファイアーしちゃいますよ」

おどけた感じでそう言ってくれる。


「どうしても方法無かったら頼もうかな」

千紗と出会えて本当に良かった。


じゃなきゃ1人悶々と考え込んで、気持ちが落ちていただろう。


「さてと、続き行くっすよ」


ついに21階、中層に突入だ。

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