第19話 オッサン齢53歳にして果てる。

「あの、剣崎さんくるしい」

 俺は慌てて強く抱きしめてた手を緩める。


「無事でよかったー、でもあんな危ない真似しちゃダメじゃないか」


「元々囮になるために盾の講習受けたんですよ、あれくらいの事はしますよ」


「今回は確かに助かったけど、もしあれで千紗に何かあったら俺は自分を許せなくなるから、もうしないって約束して欲しい」


「あの時残り20秒くらいだったんです。

 後少しだけ時間稼げればきっと剣崎さんが何とかしてくれるって思ったんです

 信頼の行動ですよ」


 困った、ここまで言われると、流石に言い返せない。


 だけど、俺自身が自分をそこまで信頼してない。


 しかし、ここまで信頼してくれてるのに、それに応えたいって気持ちもある。


「うーん、正直俺はまだレベルも低いし、そんな何とか出来るから分からない。

 醜態も晒していくと思う。

 それでも、できる限り千紗の信頼に応えるよう頑張るから、協力してくれるか?」

 こんな不甲斐ない事しか言えない俺に自分で腹が立つ。


 だが、出来もしない事を言って、それが原因で彼女を失ったら、俺は絶対自分を許せない。


「はい!一緒に頑張りましょう!」

 彼女は明るく元気に返事してくれた。


「ありがとう」


「じゃあ、ゲート潜っちゃいますか」

 彼女は立ち上がって手を差し伸べてくれた。


「あー、いや、実はね、戦闘終わって気が抜けたせいか、身体が言う事きかなくて、すまん!もう少し休憩させてくれ」

 こんな不甲斐ない事しか言えない俺に自分で腹が立つ。


 しかし、無理してギックリ腰をやっちまったら、ここから動けなくなる。


「じゃあ、今のうちにステータス確認しちゃいますか」


「そうだな」

 そう言って、俺たちは協会のアプリを起動させる。


 ダンジョンの中なのでもちろん外と電波が通じるなんて事は無い。


 だが、この協会のアプリはリアルタイムで自身のステータスの変化を確認できる。


 協会の探索者の証明書として機能してるし、探索に関する手続きなどは大体これで出来る。


 割と謎なアプリだ。


 ダンジョンのボスを倒す事はより下の階に行くために必須なのだが、それ以外にあまり旨味がない。


 経験値としてはあくまでそのフロアの1匹だ。


 普通のオークと変わらない。


 ドロップ品もレアドロップならば違うものが出るらしいが、通常ドロップだと変わらない。


 だが、唯一のメリットがある。


 通常のモンスターより強いせいか、スキルの習熟度が上がるらしくスキルや技の獲得がしやすいのだ。


 そして、俺もスキルを獲得した感触を得ている。


 剣崎鉄也 レベル7

 クラス 堪忍者

 クラス解説 ▽


 強さ 11 物理的攻撃力

 器用 12 命中率

 素早さ 7回避率、移動速度

 知性  9 魔法的攻撃力

 耐久力43 物理防御

 賢さ 25 魔法防御

 HP 430

 MP 250

 パーソナルスキル 堪忍

         HP50%以下の時に発動、戦闘中敵に攻撃した時にHPを1回復


         ならぬが堪忍するが堪忍

         堪忍出来ない敵を堪忍して仲間にする


 盾術 ブロック 相手の攻撃を受け止める


 挑発術 ウォークライ 叫び声で相手を挑発する


 能力上昇値 5レベル毎 強さ5 器用5 素早さ3 知性4 耐久力23 賢さ10


 やはりか、1回目は分からないが、2回目は確実に技の効果乗った気がしたんだが、気のせいじゃなかったな。

 挑発技のウォークライを覚えた。

 千紗にヘイトが行った時にこちらに戻せる可能性がこれで上がった。


 贅沢を言えばシールドバッシュも覚えたかったが、まぁ仕方がない。


 逢真千紗 レベル5

 クラス 鏢師

 クラス解説 ▽


 強さ 16 物理的攻撃力

 器用 16 命中率

 素早さ 16回避率、移動速度

 知性  16 魔法的攻撃力

 耐久力 16 物理防御

 賢さ 16 魔法防御

 HP 160

 MP 160

 パーソナルスキル 鏢車

         自身の強さの100倍の重さまで収納可能。

         

         武芸百般

         全ての攻撃技の修正値を2倍にする

 槍術 連突き

 投擲術 連投

 投槍術 遠投

 魔投槍術 ブリッツジャベリン(MP2)


 隠密術 気配消し


 気配察知


 火魔法 バーン 使用者が火傷する(MP1)

    ティンダー 着火する(MP1)

    ファイアーブリッツ 火の礫を飛ばす(MP1)

 水魔法 ティアドロップ 水を指先から一滴だけ出す(MP1)

    ウォータードロップ 水を作り出す(MP1)

    ウォーターブリッツ 水の礫を飛ばす(MP1)

 土魔法 グレイン 砂つぶを1粒飛ばせる(MP1)

    ブロック レンガ上のブロックを作り出す(MP1)

    ロックブリッツ 土の粒を飛ばす(MP1)

 風魔法 カーム 風が少し弱まる(MP1)

    ブリーズ そよ風を起こす(MP1)

    ウィンドブリッツ 風の礫を飛ばす(MP1)

 光魔法 ティンクル 指先が点滅する(MP1)

    トーチ   小さな光源を作り出す(MP1)

    ライトブリッツ 光の礫を飛ばす(MP1)

 闇魔法 ディム 薄暗くなる(MP1)

    シャドウ 影を作り出す(MP1)

    シャドウブリッツ 影の礫を飛ばす(MP1)

 聖魔法 リフレッシュ 気持ちが晴れやかになる(MP1)

    フィルター  水を濾過する(MP1)


 能力上昇値 5レベル毎 強さ8 器用8 素早さ8 知性8 耐久力8 賢さ8


 安定の習得の速さだな、しかし、それにしては盾だけ覚えないな。


 このクラス、盾は習得の恩恵受けられないみたいだ。


 ステータスの確認をしながらだいぶ休憩したので、改めてゲートを潜る。


 そして次の階層に降りていく途中の踊り場のような場所の壁に設置してあるプレートに手を触れる。


 フォンッという音と共に、俺たちは1階のクラスを選んだプレートと出入り口を挟んだちょうど反対側に瞬間移動した。


 これでプレートに登録されたので5階まではショートカット出来る。


 俺たちは笹かまにボスを倒したことを伝えると、家に戻ることにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る