第17-2話 オッサン齢53歳にしてはしゃぐ。
「ほえ?」
笹かまに千紗のスキル見せたら変な声出た。
「色々説明とかアドバイスとか欲しいんだが」
「いや、なんなんっすか!?たった2日でアホみたいにスキル増えてるじゃないっすか!これじゃ4倍じゃなくて40倍っすよ!」
「あ、やっぱり多いよね、俺もなんとなくそうかなぁって思ってはいたんだ」
「一応俺も調べたんすよ鏢師の事、元々の中国にそういう職業あったらしいっす、んで、配達って言っても今と違って物騒で山賊とか出る所もバンバン行っちゃうから、どっちかっていうと戦闘民族みたいな奴らっす」
「あぁ、だから武芸百般なんだ」
「おそらくっすけど、多分戦闘系のスキルはメチャクチャ覚えるの早いんだと思うっす」
「魔法は?」
「それも戦闘系扱いっぽいっすね」
「気配察知は?」
「戦闘に必要じゃ無いっすか」
「なるほどねぇ、分かる範囲と笹かまの見解でいいから、スキルの解説してもらって良い?」
「良いっすよ、まず剣崎さんっすけど、これってテイムスキルの系統なのは間違いないっすよね」
「うん、だと思う」
「テイミングのやり方って知ってるっすか?」
「あー確か、ある程度攻撃して弱らせて、相手を屈服…え!」
そこまで話して俺はある事実に気づいた。
「俺の装備頼りの戦闘だと、死ぬまで手加減出来ないだけど…」
「そっすね、無理っすね」
なんという圧倒的な死にスキル!
「はぁぁぁぁ」
ため息しか出ねぇ。
「ただ、この書き方だと、相手に意思があって、許してやるから仲間になれって言ってる感じなんすよねぇ」
「どういう事だ?」
「これがテイムスキルの説明っす」
そう言ってノートPCの画面をパタパタと打って検索画面を出してくれた。
『テイム 相手を屈服させ、テイムモンスターとして使役するスキル』
「剣崎さんのはっきり仲間にするってなってるじゃ無いっすか」
「確かに、でもそんな意思疎通できるモンスターとか居ないしなぁ」
「居るっすよ」
「え?あれ?居るの?」
「めちゃくちゃレアなんすけど、ダンジョン内のモンスター構成無視して出てくるモンスターがいるっす。
そいつらは飼い犬レベルから、人語話すレベルまで様々っすけど、だいたい意思疎通出来るっす。
結局好戦的っすけどね。
そいつらまとめてイレギュラーモンスターとかイレギュラーとか呼ばれてるっす」
「へーそうなんだ」
「ただこいつらってテイム成功したって事例が一件も無いっす。
多分殴った時点で敵認定なんすかね?
あと、使役とかいうのも嫌がってると思うっす」
「なんでそう思うんだ?」
「へ?普通に意思あるんだったら殴ってボコボコにしてくる奴と仲良くなんて出来なし、使役ってペットっていうか、もう奴隷じゃ無いっすか、ムカつくやつの命令聞くくらいなら死んだ方がマシってなりません?」
「まぁ、確かにな」
「だから、この堪忍して仲間にするってのが、めっちゃ可能性ありそうなんすよね」
やばい、めちゃくちゃ期待してしまうぞ、なんか巨人みたいなやつ連れて焼き払え!って言ったらみんな焼いてくれそうな予感!
「なんか夢あるな!」
「あ、でも、俺の勝手な予想っすからね」
「分かってる、間違ってても恨んだりしないから安心してくれ!」
「で、逢真さんっすけど、この武芸百般やばいっすね。
普通この手のパワーアップ系って攻撃とか命中とかなるんすけど、修正値って事は全部っすからね、槍系だと一点穿孔っていう技あるんすけど、クリティカル値とクリティカルダメージ上げる技なんすけど、これを上昇させるものってあんまり無いんすよ。
武芸百般だと、クリティカル値の修正とクリティカルダメージの修正ダブルで入ると思うんすよ。
しかも、2倍って修正やばい破格っす」
「よかったね、かなり実践向きのスキルじゃ無いか!」
「はい!」
千紗は俺に言葉に顔を綻ばす。
「あとは、付いたら良いなぁってスキル片っ端からついてるっすね」
「笹かまの狙い通りって事か?」
「一応そうっす、こんな早く覚えると思ってなかったっすけど、これ計画表っす」
そう言って一枚のプリント用紙を見せてくれる。
逢真千紗スキル所得計画表
槍術、投擲術、投槍術、魔投槍術、各種魔法
獲得目標技
槍術 一点穿孔
捻刺
投擲術 正鵠撃
影撃
投槍術 剛投
遠投
魔投槍術 多色槍
天落ち
各種魔法 各種スピア以上
「普通2年から5年で習得するくらいの量なんで、4倍って事もあってだいたい1年以内でこれクリア出来たら良いなぁって思ってたんすけど…1ヶ月かからなそうで、マジ引いてるっす」
「ところで魔投槍術ってなんなんだ?聞いた事ないんだけど」
「あぁ複合スキルっすね、前提条件があるスキルっす。
槍術と投擲術で投槍術が生えるっす。
投槍術とブリッツ以上の魔法で、魔投槍術が生えるっす。
最初は槍状の魔力の塊投げる感じっすけど、すぐブリッツジャベリン覚えるっす。
そのあと、バレル、ボール、スピアってなって、魔法で覚えてるやつを槍にして投げつける感じっす。
ちなみに、結構条件厳しいんで、多分日本で200人居ないんじゃないっすかねぇ?」
「そんなに難しいんだ」
「そりゃそうっすよ、槍使えるのに投擲とか普通しないし、投擲出来るのに魔法覚えなし、そもそも魔法なんてスクロール無ければ覚えるのにべらぼうに高いっすから」
「え、でもタダでくれたよな?」
「中身が全然違うっすよ、普通こんなに早くブリッツまで覚えないっす。
めっちゃ早いって人でも、ずっと使い続けて半年とか1年かかるっすよ。
だからダイレクトに覚えるのにブリッツ系のスクロールを数千万で買うんすから。
こんなに早く覚えるとか、マジやばいの通り越して異常っす」
「そ、そうなんだ、この先うちの千紗はやっておいた方が良い行動ってあるかな?」
「あぁ、隠密系覚えるように、戦闘中は気配消したり剣崎さんの後ろに隠れたりすると良いっすよ。
あと、後ろに回り込むようにしたり。
覚えてしまえば、急所狙いしやすくなるし、一点穿孔や正鵠撃って派生スキルの投槍や魔投槍にも乗せれるんすよ。
気配消し、隠密移動、後方奇襲からの一点穿孔、正鵠、剛者、ブリッツジャベリンで中層のボスでもワンパンっすよ」
「なんかすごそうなコンボだね」
「槍系のトップランカーの技っすからね、これ出来るようになったら、空中機動と立体機動覚えれば、最強槍使いになれるんじゃないっすか?」
「相談に乗ってくれてありがとうございました!」
千紗が元気よく挨拶する。
「ありがとう!俺も意思疎通可能なモンスター探しっていう楽しみができた!感謝するよ!」
2人で感謝の言葉をかけて、もう一度ダンジョンに潜る。
ボス倒して下に行きたい。
俺は、はやる気持ちを抑えきれずにいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます