第12話 オッサン齢53歳にして目覚める。
翌日、俺は朝6時半に目覚めてしまった。
今更この歳で親子ほども年齢の女性に特に思う事もないし、気になるような事もない。
ある訳がないじゃ無いか!
いつも通りの平常心なので、たまたま朝早く目覚めただけだろう。
全然いつも通りだし。
部屋に入れる予定は無いが、念の為昨日のうちに掃除はしておいた。
洗濯ものは洗濯機の中だし、今のうちに洗ってしまうか。
下着もシャツも昨日買ってきた新品だし、上着も着替えた。
汗臭いとか、変な臭いがする事はない。
ゴミも全部出したし、臭い消しのスプレーも使った。
流石にまだ加齢臭はしないと思うが、自分じゃ気づかないっていうしな。
…念の為もう一回シャワー浴びておこうかな。
加齢臭に良い印象無いしな。
うん、いつも通り、いつも通り。
ー1時間後ー
ふむ、やることがない。
あ、折角調べたのだから今のうちにダンジョンのモンスターの再確認しておこうかな。
ダンジョンのモンスターはF以下は出るモンスターが決まってるいる。
ランクの差は階層の差らしい。
Hランクは40階層まで
Gランクが80階層まで
Fランクはそれ以上の階層がある場合にそのランクになるらしい。
ここのダンジョンは見つかったばかりでまだ確定してないから、1番数の多いGランクと暫定的にして今後の状況次第でランクを変更していくらしい。
既に5階でオークが出ているので、かなりの高い確率でEランクになるらしい。
まだ確定ではないのは、6階以下で5階までのモンスターが出てそれ以降Fランクと変わらなければ、特殊なFまたはGランクのダンジョンになるそうだ。
まぁ、滅多に無いらしいが。
俺はスマホを起動して、モンスターリストを確認する。
スライム
ヴァルチャー
ホーンラビット
ゴブリン
コボルド
ここまでのモンスターが5階まで出るモンスター。
E以上は、これ以外が混ざってくる。
既にコボルドが出現していない。
オーク
ワイルドボア
ワイルドブル
ワイルドドッグ
バイオレンスターキー
ここまでが6から10階で出るモンスター。
E以上だとこの辺が5階までに出てくるらしい。
ただ、普通は真っ先にスライムやヴァルチャーが出なくなるとの事なので、ウチのダンジョンは特殊なのかもしれない。
この階でコボルドが出れば特殊なFまたはGのダンジョンって事になる。
ホブゴブリン
ジャイアントスパイダー
ヘルスネーク
ポイズントード
ジャイアントラット
10から15階のモンスター。
オークが5階に出てるので、この中のどれかは上に出る可能性が高い。
意外にもこの中ではジャイアントラットが要注意らしい。
基本的に集団で行動するモンスターなので、数の多さに捌ききれないという事はよくあるそうだ。
フォレストウルフ
キラーマンティス
グリーンキャタピラー
ウッドパペット
ボムロック
16から20階に出るモンスター
特にこのボムロックのレアドロップ品の鉄鉱石が、ダンジョン鉄といって、ダンジョン用の鉄製装備には必ずといって良いほど使用するので、1個で5万くらいするらしい。
なので、これを専門に狩ってるパーティもあるらしいが、それをやってしまうと停滞してしまうので俺はレアドロップは狙わないつもりだ。
そして中層の悪名高きアンデッドゾーンに入るのだが、ここではそのどれかは20階までに出ると覚悟しておいた方が良いな。
スケルトン
ゾンビ
ゾンビビースト(鳥)
ゾンビビースト(犬)
ゾンビビースト(猿)
ネットで、ゾンビ桃太郎と言われてるゾンビシリーズ。
こいつらは全員毒持ちだ。
そして、見えている魔石を破壊しないと無限に再生するスケルトン。
破壊すればもちろん、魔石は手に入らない。
これはアンデッドあるあるらしいが、ほとんどのアンデッドはレアドロップ以外の通常ドロップが無いのだそうだ。
毒と腐臭のゾンビを倒しても魔石だけ。
スケルトンに至っては魔石すら手に入らない。
しかもレアドロップもゾンビシリーズが腐肉、スケルトンが大腿骨、金額がただ同然だそうだ。
かなりの数の探索者が中層には行かず、浅層でボムロック狩りをするのがわかる気がする。
ここさえ抜ければ、食材ゾーンと言われる植物系モンスターが出てくる階になって、買取額も跳ね上がるという事だから、なんとかここまで行きたい。
特に、プラントモンスターのメロン、マンゴーは通常ドロップで最低でも1個10000円だそうだ。
野菜系のカボチャ、大根、きゅうりでも、500円から1000円だというのだから、かなり稼げる用になる。
このまま2人パーティでここまで行ければ、通常の5人や6人パーティよりかなり実入がいい。
そんな妄想をしていたら、外に車が止まった音がした。
田舎というか僻地に近いので路駐し放題だ。
「おはようございます!」
窓をあけて外を見ていたら、軽四のバスから彼女が降りてきた。
あんまり女の子が乗るタイプの車じゃないなぁ。
青のツナギに身を包んだ彼女は、ほぼ何かの業者さんにしか見えない。
「おはよう、まだ来ないと思ってノンビリしてた。
すぐ用意するからちょっと待っててね」
「いえ、早く着きすぎただけですから、気にしないでゆっくり準備してください!」
慌てて、装備を着込んだ俺は、彼女と一緒にダンジョンに向かう。
移動中に俺の戦い方を説明するつもりだ。
ちょっといつもよりテンションが高くなってるが、これは新しく盾を使って戦うのが楽しみなせいだ。
女の子と一緒になってウキウキしているわけではない。
もうとっくに不惑の歳はすぎているのだし。
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