湖上の飛行機乗り

@Horosawa

エピローグ

 ゴウン、ゴウンと重低音が鳴り響く。普段は静かで、真っ暗な夜であるが、今日は爆撃機の轟音が鳴り響き、家屋に燃え広がった業火が闇夜を照らす。あたりには逃げ惑う人々と、悲鳴で満ちていた。

 どこだ、どこにいるんだ。

 あたりの炎から放射された熱がまるで、動きをためらわせるように肌を刺す。全身痛くて、もはや動くことも困難であったが、必死の衝動にかられ、美しい銀髪をもった少女を探す。

 人混みのなかに、炎に照らされ、ちらちらと輝く銀髪がみえた。

 必至に少女の名前を叫ぶ。のどが焼かれて声がでない。

 しかし、少女は振り向いて、こちらになにか発した。

「また、、、どこかで、、、。」

 少女は人混みに押されて離されていく。必死に手を伸ばすが、その手は届くことはなく、少年はその場に倒れ、視界は闇につつまれた。

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