虹の話

黒蛾骸彦

第1話 赤の怒り

私の担任は怒ると赤くなる。

それも真っ赤に、人の目も気にせずに生徒に怒ってくる。そのせいかあだ名が梅女だ。

『またか!お前はいつになったら学ぶんだ!』

「す、すいません」

(みろよまた梅女が怒ってるよ)

(丸聞こえなの気づいてるのかな…)

なぜ彼が怒られているか?

彼は黒板消し係、消すのが仕事。

しかし文字のすみっこが残っていたらしい、上にね。椅子の上にのって消すことや背の高い人に頼むこともできるって思うだろ?あの梅女は甘やかすなって言ってるし椅子の上にのるなんて○○者か?って言ってきたりするんだ。何もできないよ。


『まったく、私がお前の歳の頃はこんなの簡単にできた!今時の子供は甘えすぎだ!お前のようなやつは高校になんて行けない、社会で失敗して行くんだ!私のように人の上に立っていく人間になれ!それができないお前は愚か者だ!』

「う…うぅ」

『泣くな!泣いて許されると思うな!』


(ねぇ早く部活やりたいんだけど、いつ開くの教室?)(これ先生よんできた方が良いんじゃ…)

そんなコソコソ話をしていたら説教が終わったらしく真っ赤になって出てきた、怒られた人の目も赤くなってしまっていた。

この件以降そいつのクラスはまるで独裁国家のようだ、怯えながら学校生活を続けるなんてストレスしかない。







いつまで続くのかと思ったが、終わりの時は早かった。

修学旅行中の新幹線の車内で梅女は声を荒げた。

『お前!その服はなんだ!』

「え?服?」

あーあ、気の弱い子が狙われた、その子の服装は水色のおとなしいワンピース。何もド派手でレースフリフリではない清楚系なワンピースだ。

その子にとても似合うっている。

「なにか変ですか?」

『そんなワンピースきて媚びでも売ってるのか?男の先生に色目つかってるのか?そんなに私が嫌いか?!』

何言い出したんだこの先生、新幹線で叫ぶなって言ったのはお前なのになんで叫んでるんだ…

ありもしないことを言われた子は涙を流しても罵倒され周りの子達も恐怖で体が震えていた。

しかし人の男子がこっそりと他の教師を呼びに行きもう1人はスマホで撮影していた、場所的に梅女の顔だけが映る角度だった。






結果はわかった、こんな教師の下にいたなんて赤っ恥だ。



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