クイックを極めた魔王×魔女の息子、騎士養成学校で異次元の速さを見せつける

@smallwolf

プロローグ


 人生において最も大切にすべきことは何か。


 そう問われたら僕は迷わず『速さ』だと答える。


 なぜそう思うかって?

 それはとても簡単な話で、速い事は格好いい事だと僕は思うからだ。


 例えばかけっこで誰よりも速い人の事を格好いいと思ったり。

 鬼ごっこで誰にも捕まらない素早い人の事を格好いいと思ったり。

 そんな単純な話。


 さて、これは現実における速さの話だ。

 次はゲームや創作の話もしよう。


 バトル物のゲームや創作では色んな格好いいキャラ。もといチートキャラが登場する。


 例えば攻撃を当てさえすれば一撃で相手を確実に倒せるようなチートキャラ。 

 例えばどんな攻撃をも無効化するチートキャラ。

 例えば攻撃を放てば確実に相手に当てることが出来るチートキャラ。


 他にも世界のルールを捻じ曲げたり並行世界に干渉したりとかエトセトラエトセトラ。

 どれもこれも作者の描き方にもよるけど、格好いいと僕は思う。


 けれど、やはり僕が一番格好いいと感じるのは何よりも速いキャラクターだ。


 誰よりも素早く動くことが出来て、一撃一撃は弱くても相手の攻撃を一撃も喰らわないキャラ。

 一撃でも喰らったら死んでしまうような紙装甲だけど、紙一重でどんな攻撃も余裕の表情で、けれど効率を考えてギリギリで回避する。

 そうして相手にダメージを少しずつ、だけど豪速で与えていくようなキャラ。


 格好良くない?



 そんな訳で、僕は『速さ』こそがこの世で一番重要な物だと思っている。



 そうして当然のように僕は速度の限界を超えたいと思った。

 風よりも速く、音よりも速く、光よりも速くなりたいという夢を持ったのだ。

 


 でも、普通の人間にはそんなの無理。

 特殊な力とか乗り物でも使わない限り、音速にだって至れない。

 光の速さ。いわゆる光速なんて夢のまた夢だ。



 だけど、僕は諦めたくなかった。

 光の速さに到達したい。

 そうすれば新たな景色が見れるような。

 そんな気がしたのだ――

 

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