第2話 モテない理由

「おはよー日持君」

日持が大学に着いた時、彼に声をかけたのは、動画研究サークルの先輩、花園という女性だ。「就活進んでますか?」「もう第一志望の内定は貰ったわ」日持の問いかけに花園が答えた。その後も10分程会話は続き、一段落ついたところで、日持は講義に出るため花園に別れを告げた。もう気づいているとは思うが、日持は女性とも自然に会話ができ、トーク力も持ち合わせている。そして、日持自身もそれを自覚している。自覚しているからこそ、日持にはモテない理由が分からなかった。「自分はブスなのだろうか」と思い続け、3ヶ月間、毎朝鏡とにらめっこをしていた時期もあったが、客観的に見て日持はむしろイケメンの部類であった。「身長が足りない」と思っていた時期もあったが、友人の井上に相談した際、「185cmでチビ?自慢か?」と言われ、すぐに身長は問題ないのだと気づいた。つまり、彼にはそれらしき「モテない理由」が無いのだ。そんなものだから、一向に日持は成長していない。しかし今日の日持には策があった。モテない理由を解き明かす策が。

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