パンチパーマ小池

寅次郎

第1話


15年前




剛3才。公園で元気よく遊ぶ剛。滑り台から下りてくる。その光景をムービーで撮っているのが父。




このパンチパーマが俺。俺は生まれた時からパンチパーマ。だからご近所からは怪物だとか言われ、




病院にいけば原因不明言われた。そんな俺の父はさらさらヘアーのセンター分けだ。




俺は一体誰に似たんだろうか。










15年後




 


遅れたが俺は小池剛18歳だ。俺のパンチパーマは年頃になって逆にパンチがきつくなったように思う。




今は学校で卒業遠足どこがいいか決めてるホームルームの時間だ。




みんなディズニーランドやらお台場やら好き勝手に言っている。




俺はどこでも良かった。










放課後俺はまだ教室にいた。




仲間のタケルが待っててくれている。ちなみにタケルは学年一のイケメンと言われている。




そんなタケルとは入学式の日に




「その髪型カッコイイね!」




と唯一言ってくれた友達だ、タケルは内面もイケメンなのだ。タケルを好きな女子は多い。




俺に「代わりに手紙渡しといて」




と女子に言われるくらいだ。








公園でタケルに女子から預かった手紙を渡していた。軽く100通はある。しかしタケルは興味なさそう。




タケルが俺に「剛って好きな女の子いるの?」と訊いてきた。俺は「いない」と答えると、




「じゃ、合コンしようぜ!俺セッティングするから」と言った。






俺は不安だった。

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