第11話 真実への到着

門司港の静かな夜が明け、香織、涼介、健一は、組織のメンバーと斎藤から得た情報を元に、最終的な決着をつけるべく行動を開始していた。倉庫での戦いの後、彼らは警察と共に緊張感の中で最後の真実を求めていた。


警察署の取り調べ室。斎藤は手錠を掛けられたまま、椅子に座っていた。彼の顔には深い疲れと後悔の表情が浮かんでいた。香織と涼介は田中刑事と共に部屋に入った。


「斎藤さん、全てを話してください。これで終わりにしましょう。」香織が静かに言った。


斎藤は一瞬目を伏せ、やがて口を開いた。

「私は、家庭の経済的な困難に苦しんでいました。組織からの金に目がくらんでしまったんです。」


「それで、組織に協力することを決めたんですね。」涼介が促すように言った。


「そうです。でも、彼らがどれほど危険な存在かを知った時には、もう引き返せなかった。」

斎藤の声は震えていた。

「彼らは私の家族を人質に取り、命令に従わなければ家族の命はないと言われました。」


「だから協力し続けたんですね。」

田中刑事が確認した。


斎藤は深く息を吐き、

「ええ、彼らの命令で信用金庫のシステムに侵入し、情報を流していました。そして、佐藤隆の別人格が実行役として動いていたんです。」


「佐藤さんについて、もう少し詳しく教えてください。」香織が質問した。


「佐藤さんは解離性同一性障害を患っており、彼の別人格が国際犯罪組織のメンバーとして行動していました。彼自身は全く知らないまま、組織の手先として利用されていたんです。」

斎藤が説明した。


「具体的にはどのような指示を受けていたのですか?」涼介が尋ねた。


「彼の別人格がネットカフェで情報を操作し、私たちの計画を実行していました。彼の行動は全て組織の指示に従ったものでした。」斎藤が答えた。


香織、涼介、健一は斎藤から得た情報をもとに、国際犯罪組織の全貌を暴くための最終計画を練った。警察の協力を得て、彼らは組織のリーダーを捕らえるための作戦を決行することにした。


「これで全てが明らかになる。」涼介が決意を込めて言った。


「ええ、最後の一押しをしましょう。」香織も力強く答えた。


警察の支援を受けて、香織たちは組織のリーダーが潜伏している場所に突入した。そこで彼らはリーダーを捕らえ、全ての証拠を押さえることに成功した。


「これで全てが終わった。」

香織は深い安堵の表情を浮かべた。


「そうだ。君たちの勇気と努力があったからこそ、ここまで来ることができた。」

田中刑事も感謝の言葉を述べた。


---


数日後、香織と涼介は門司港の静かなカフェ「エトワール」にいた。そこで彼らは今回の事件について語り合い、未来への希望を語った。


「全てが終わったわね。」香織が微笑んで言った。


「そうだ。でも、これからも私たちは真実を追い求め続ける。」涼介が決意を新たに答えた。


「私たちの戦いはこれからも続くのね。」

香織はその言葉に力強く頷いた。


香織は涼介の手を握り、

「私も一緒に戦うわ。二人で真実を追い求め続けましょう。」


門司港の夕陽が美しく輝く中、香織と涼介は新たな決意を胸に、未来に向けて歩み始めた。真実を追求する彼らの物語は、これからも続いていく。

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