人民網日本語版で知る中国 攻めのビジネス V.2.1

@MasatoHiraguri

第1話 (客待ち体質の)商店を(世界へ売り込む)行商にする

  本書末参照 →  「AI活用で「世界のスーパーマーケット」に貿易の新たな商機?」人民網日本語版 2024年05月23日10:49

http://j.people.com.cn/n3/2024/0523/c94476-20173182.html


 AIを現実の生活に活用することのできる中国人は、「いらっしゃい、いらっしゃい」という客待ちの商売スタイルから、積極果敢に世界へ売り込みに行くビジネスモデルをすでに構築し、軌道に乗り始めている(実利をたたき出している)。

50年前、オイルマンであった作家の落合信彦氏がサウジアラビアに滞在していた時、香川県製のハンカチを売り込みに歩く、黒のビジネススーツに白のワイシャツ・ネクタイ姿の(日本の)商社マンと出会ったそうです。

香川県に何百とあるハンカチメーカー(従業員数人から数十人の中小企業)の要請を受け(ニーズを掘り起こし)、英語を始め世界各国の言語や法律に詳しい商社マンが、かれら日本メーカーの代表として、世界中で商品を売り歩いていたのです。

これこそが、人力による(世界を股にかけた)「攻めの商売」というものであり、かつて日本が世界に誇った総合商社の真骨頂(ビジネスモデル)でした。

単に、言語・法律・経済・金融といった知識以上に、体育会的バイタリティと大学日本拳法的なる積極果敢な攻めの精神、そして在来種純粋日本人同士による阿吽(あうん)の呼吸によって、世界中のニーズと日本メーカーの技術を結びつける。

商売上手のユダヤ人もインド人も中国人も敵わない、いかにも日本的なチームワーク(全体は部分の総和に勝る)によって、様々な日本風で個性的なデザインで安価な製品を、何百万枚と世界の隅々にまで売りさばいていたのです(もちろん、ハンカチばかりではありません)。

早い話が、従業員数人の家内工業が、世界を相手に一人で商売などできるわけがない。いくら、在来種純粋日本人的なる感性によって素晴らしい柄や良質な生地の製品を作っても、それをまとめて売ってくれるルートやサポートがない。

そこで、同業者数百社が集まり、総合商社に売り先を探してもらう必要があったわけですが、現在の中国ではAIという最新技術と、(韓国脳ならぬ)優秀な中国脳の政府や地元自治体・マスコミがその役割を果たすことによって、「Win Win」の世界を構築している。

援助といい、総合商社に頼むのではなく、個人企業を含む1万以上の事業者が「自分で世界中に出かけて商売をする仕組み」を作り上げているのです。

日本のように、政治屋・警察屋・マスコミ屋の3大王様が、援助金の9割まで骨抜きにしてしまう、という韓国脳的援助・支援・協力とはまるで違う世界がそこにある。(中国ではそういうことをする人は極刑に処されます。政治資金改正法なんておままごとで済む話ではない。政治家も警察も真剣味が違うのです。)

具体的には、この記事「AI活用で「世界のスーパーマーケット」に貿易の新たな商機?」人民網日本語版 2024年05月23日にあるように、中国語で自分(たち)で作った製品のプレゼンテーションをすれば、その映像をAIが36言語に自動翻訳し、世界中に自動配信してくれる。恐らく、海外からの問い合わせにも、AIを使って対応してくれるのでしょう。

極論すれば、中国ではどんな小さな家内工業者であっても、自分の知恵と労力と時間すべてを、もの作りに投入することができる(もの作りに専念できる)。

  作ったものは、まるで中国国内で隣り町に売るようにして、AIが世界中に販路を開拓してくれる、ということなのです。

まさに、かつて日本の総合商社がやっていたことを、より個別のニーズに適した形ですくい上げてくれる体制を築きあげている。しかも、口先ばかりの日本や欧米の「ネットコマース」ではなく、積極果敢に世界中に自分の意志とアイデアで売り込みをかけることができる。

その点に於いては、総合商社におんぶに抱っこという神頼み形式と違い、中国人らしいコギト・エルゴ・スム(確立した自我)による、自主独立のスタイルを特徴にしているといえるでしょう。

2024年5月27日

V.1.1

2024年5月28日

V.2.1

平栗雅人

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