第5話 蛙生の始まり。
「んん……おお、入れ替わってる!」
「わ、本当だったんだ(汗)」ケロー
私の声、蛙になってる。
その声が私になったレオンにはちゃんと理解できてるみたい。
本当に蛙と入れ替わってしまったんだ。
途端に心が底知れない恐怖に掴まれそうになる。
……いや、一瞬で不安感が消えた。
蛙には不安を感じる機能がないのかもしれない。
それとも、私には人生に対して、この程度の未練しか無かったのか。
「なるほど、俺の家はここか。残ってるお前の記憶で何となく分かるな」
「またお前呼び。キョウカと呼んでってば」ケロ
「そうだったな。キョウカだった。……何だよ、不安になってるのか? 置いてったりしないって。契約だからな」
「不安はもうないよ。蛙になったからかな」ケロロ
でも、気になったので質問する。
「契約破るとどうなるの」ケロッ
「恐ろしいことさ」
「何、知らないってこと?」ケロ?
「まあいいだろ。破らないからな。さあ、俺とキョウカの家に帰ろう。その前にホームセンターに寄ろう」
「家まではココに入っておいで」
ジャケットの右ポケットに入れと?
潰さないでよー。
心配だ。
まあ、その時はその時か。
「そういえば、性別が前は男だったんだよね。体に違和感はない? 平気?」ケロケロ?
「ああ、もちろん慣れるまでには時間はかかるかもな。でも思ってたよりは大丈夫だ。記憶もあるしな」
「それなんだけど、あんまり変な記憶読まないでよ」ケロッ!
「分かってる。そっちもな」
「こっちは、貴方が蛙になってからの記憶しか見れないみたい」ケロー
「そうなんだな。そりゃ悪いな」
「別に。そんな興味ないし」ケロッ
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