第6話 ミレイユへの尋問
『まず、貴女の名前と所属をちゃんと答えて』
「何度も言ったでしょう。『
いきなり、胸の大きさでマウントを取ってきやがった。
「その『
「あのね。宇宙圏で『
知るか、そんなの。とにかく正規の軍人ではないようだな。
『そもそも冒険者とは何なの?』
「もう! 冒険者はね、勇敢で屈強な戦士かつ紳士的な頭脳集団よ。宇宙で資源採掘をやるしても、あたし達みたいな冒険者がいなかったら何処に何がどのくらい存在してるか判らないでしょう。アステロイドベルトのジュノーのレアメタル鉱山を見つけたのは、あたし達よ」
探索や事前調査を請け負う民間組織と言う感じか? 体の良い捨て駒って気もするが。
『今回の軍から受けた仕事って?』
「それよ! 思ってたのと違って全然割りに合わないの!」
『割りに合わない?』
「何十日もかけてアステロイドベルトまで往復するよりさ。1泊2日くらいで幾つも仕事を回せるからって受けたわけよ。なのに、化獣って滅茶苦茶しぶとくてさ。全然、お金になる素材が手に入らないの!」
1泊2日で地表と往復できるなら、衛星軌道の宇宙コロニーから降りて来たのだろう。惑星の公転周期のタイミングで、他天体には行けなくなる時期もある。それで、近場の仕事として受けたのか。
『お金になる素材?』
「化獣の身体の素材なら、どんなものでも軍が買い取りを保証してくれてるの。研究材料だから状態がいいとより高値になるのよ」
宇宙圏が、本格的に化獣の研究に乗り出してきたのか。
『化獣の何を研究するつもりなの?』
「でもね。どうやって素材を入手しろって言うのよ! レーザー砲は効かないし、外殻メッチャ硬いし、おまけに通信障害まで起きちゃうし!」
化獣に関する事前知識は何も持たないで地表へ降りて来たらしい。
いや、それなら軍の思惑が問題だな。軍の連中は、化獣に光学兵器が効かないのも、無線通信が干渉受けて使えなくなるのも知っている。
『防壁まで化獣を誘導したのは何のため?』
「素材入手に協力して貰うために決まってるじゃん。わたし達のレーザー砲は全然効かないでしょ。防壁に砲門があったから、利用させて貰ったわけ」
……協力して貰うため?
……利用させて貰った?
おいおい、こちらは都市が化獣に襲われないか気が気ではなかったんだぞ。
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